未央「…あ、ごめん。この話する前にさ、まずウチのプロジェクトって…」



凛「…?」



未央「個性的じゃない?」



凛「…まあ、うん」



未央「小さい子、大きい子、外国人、猫耳、ロック志望、クローバー、お菓子、妹」



凛「うん…ん?…うん」



未央「で、さ…」



凛「…」



未央「私達、何かある?」



凛「…」



未央「…」



未央凛「「…」」



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凛「…それってさ」



未央「うん」



凛「何かないとダメなの?」



未央「そういうわけじゃないけど…みくにゃんとかが個性だーって時に、私達何も言えなかったじゃん?」



凛「…」



未央「あれさ、決してただ静観をしてたわけじゃないと思うんだよね」



凛「…別に、ただ…」



未央「しぶりんはなかった?」



凛「何が?」



未央「『私達って、個性あるのかな?』って」



凛「…」



未央「ぶっちゃけ私あの時それが九割だったよ」



凛「…」



未央「…」



未央凛「「…」」

凛「…なら、何か始めたら?」



未央「…例えば?」



凛「…何だろ…家庭菜園とか」



未央「家庭菜園アイドルって個性なの?」



凛「…犬飼う?」



未央「…考えたんだけどさ、ウチペット禁止なんだよね」



凛「…今すぐ始められて、尚且つ個性が出るもの?」



未央「…何かごめん。別にどうしてもってわけじゃないんだけど…ね」



凛「…あるには、あるけど…」



未央「何?」



凛「ほら、○○好きとか…」



未央「あー…私の好きなもの?」



凛「うん」



未央「……………………」



凛「…」



未央「……遊ぶこと」



凛「…」



未央「…」



未央凛「「…」」

凛「未央ってさ、料理出来るんだっけ?」



未央「簡単なのなら出来るけど…」



凛「え、意外…」



未央「え、嘘!?」



凛「それって、ご飯にふりかけとかじゃないよね?」



未央「しぶりんの中で私ってどういうキャラなの?」



凛「…正直、そういうイメージ無かったから…あ」



未央「?」



凛「じゃあ、実は料理出来ますアイドルとか…」



未央「それ三日で終わるやつだよね」



凛「むしろ三日もつんだ」



未央「もたせるよ。色んなネタ小出しにしてやるからね」



凛「…」



未央「…」



未央凛「「…」」

凛「どうしても個性欲しいわけじゃないんだよね?」



未央「まあ、そうなんだけどさ。周りが個性バリバリだから…」



凛「じゃあ逆にさ、私の個性って何?」



未央「しぶりん?…まず犬でしょ?花屋の看板娘だから花に詳しいでしょ?」



凛「…」



未央「…じゃん?」



凛「一言にまとめてみて?」



未央「犬と花好き」



凛「…個性なのかな?」



未央「個性だよ」



凛「まあ、自惚れるわけじゃないんだけどさ、花屋の看板娘は自負してるんだよね」



未央「うん」



凛「だから、少しは花には詳しいんだけどさ」



未央「うん」



凛「私が花に囲まれて嬉しそうな顔してたらどう思う?」



未央「…」



凛「…」



未央「…やってみないと分かんないかもよ?」



凛「今の間は何?」



未央「いや、全然想像出来なくて…ごめん」



凛「…」



未央「あ、でもハナコちゃん抱えて店先で笑ってたら良いかも」



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凛「…」



未央「どう?」



凛「それ、個性ですって胸張って言える?」



未央「…」



凛「まあ家ではこんな感じですよじゃないの?」



未央「…だとしたら、私なんて部屋でケータイいじって寝てるだけだよ」



凛「やめてよ」



未央「たまに弟が文房具借りにくるとか」



凛「良いじゃん別に」



未央「…」



凛「…」



未央凛「「…」」

未央「そう考えたらさ、まだしぶりんは良いんじゃないかな?」



凛「…」



未央「やっぱり花言葉とか分かるの?」



凛「まあ、昔から教えられてきたから…」



未央「じゃあさ、ちょっと相手を注意する意味の花言葉とかはあるの?」



凛「…強いて言うなら、スイセンとか…」



未央「『ちょっとさ、それ本当スイセンだよ…』みたいな」



凛「ごめんそれやるくらいならアイドル辞める」



未央「…薔薇咥えて出てくるのは?」



凛「それでデビューして薔薇投げて避けられるんでしょ?やだよ」



未央「…個性って、何だろうね」



凛「…だね」



未央凛「「…」」

未央「例えばさ、みくにゃん」



凛「ん…」



未央「みくにゃんといえば、猫」



凛「うん」



未央「何で猫ってキャラが定着したの?」



凛「そりゃ猫耳ずっと着けてたら…」



未央「…」



凛「…」



未央「…やる?」



凛「やらない」



未央「…」



凛「…」

未央「しぶりんってさ」



凛「うん」



未央「割と何でも出来るよね」



凛「どうしたのいきなり」



未央「逆に言えばさ、何やっても形になるじゃん?」



凛「…?」



未央「私がトスしたボール思いっきり床に叩きつけたの覚えてる?」



凛「やめてよ」



未央「あれ跳ね返って美嘉姉の方までいったらしいけどさ」



凛「やめてよ」



未央「…まあ、それもいわゆる個性なんじゃないかなあって」



凛「顔赤くしてボール取りにいったのが?」



未央「そっちはいいよ。何で自分で傷口抉るの」



凛「…でも、スポーツ出来る人って結構いるよね」



未央「いるけどさ、しぶりんは結構上いけると思うんだよね」



凛「そんなことないよ…っていうか、たくさんいるなら個性じゃないよね」



未央凛「「…」」

未央「みなみんは?」



凛「…何だろう。ちょっと、色っぽい?」



未央「みりあちゃんは?」



凛「小さくて、明るくて、それでいて大人しい…?」



未央「しまむーは?」



凛「あ…」



未央「…」



凛「…サイドテール」



未央「…」



凛「…頑張ります」



未央「…」



凛「…ん」



未央「…私は?」



凛「…スタイル良いじゃん。ニュージェネレーションズの中で一番」



未央「でもみくにゃんには負けるよ」



凛「髪の毛、ちょっと短いよね」



未央「ハネてるだけで、アーニャと変わらないよ」



凛「…」



未央「…」



凛「…ごめん」



未央「…私こそごめん」



未央凛「「…」」

凛「…プロデューサー」



未央「?」



凛「プロデューサーに、聞いてみたら?」



未央「『笑顔です』」



凛「……もしかしたら、何かこう、ズバッと言ってくれるかも」



未央「…そういえばさ、プロデューサーもかなり個性的だよね」



凛「…まあ、そうだね」



未央「しまむーなんて初めて会った時人生の中で一番大きい声で叫んだんだって」



凛「どんな出会い方したのそれ」



未央「そこまでは聞いてないけど、まず一重まぶたで、背が高いでしょ?」



凛「うん」



未央「声めっちゃ低くて、誰に対しても敬語でしょ?」



凛「うん。結局タメ口やめたみたいだしね」



未央「…プロデューサーと仕事に行くとさ、向こうの人まず私達より先にプロデューサー見るんだよね」



凛「それって、クライアントが初めに目にするのはプロデューサーって、常務が言ってなかった?」



未央「それはほら、営業で出向いた時とか…」



凛「あ、そういうことなんだ…」



未央「…話戻すけど、私達と一緒に行った時もそうなんだよね」



凛「うん」

未央「どう考えても、私達より目立ってるよね」



凛「考えすぎだよ…」



未央「本当にそう思う?」



凛「…」



未央「月一でさ、プロデューサーの人達が集まってるのあるじゃん?」



凛「あるね。月の売り上げとかなんとかで…」



未央「あの時もさ、一人だけ頭一つ出てるんだよ」



凛「すぐに気づいたもんね。どこにいるか」



未央「私より、個性的なんじゃないかな」



凛「…それは置いといてさ、プロデューサーより大きいきらりって、凄いよね」



未央「凄いね。あそこまでなろうとは思わないけど」



凛「かなり引きで撮らないと杏髪の毛しか映らないもんね」



未央「…しぶりんも背高いよね」



凛「私?…まあ、クラスの女子の中では、一番だけど…」



未央「で、脚長いじゃん?」



凛「あ、ありがと…」



未央「ずるいよね」



凛「何があったの?」

未央「みんなで集合して写真撮るとさ」



凛「うん」



未央「しまむーとしぶりんの腰の位置がさ、みんなと違うんだよね」



凛「あまり気にしたことないんだけど…」



未央「かな子ちゃんめっちゃ見てたよ。二人の脚」



凛「そうなの?」



未央「うん。人の真顔ってあんな感じなんだって知ったよ」



凛「でも、未央も長くない?」



未央「二人よりは短いよ」



凛「そんな顔しないでよ。私達が何したっていうの?」

未央「たまにね」



凛「うん」



未央「弟がみんなのサイン欲しいって言うんだよ」



凛「うん」



未央「私ので我慢しなさいって言ったらさ、何て言ったと思う?」



凛「…何て言ったの?」



未央「姉ちゃんのやついつも違うからやだ」



凛「…個性の話じゃなかったっけ?」



未央「たまには愚痴りたいんだよ」



凛「最初から愚痴ってなかった?」



未央「練習してるんだよ。だけどまだ決めあぐねてるんだよね」



凛「まあ、確かに…」



未央「しぶりんは?」



凛「『渋谷 凛』」



未央「それにしたんだ」



凛「うん」



未央「ある意味、オリジナリティあるよね」



凛「あげるよ」



未央「ありがと。私のもあげる」



凛「ありがと」



未央「…あ、でもしぶりんの字って、すぐにしぶりんだって分かるよね」



凛「それ結構言われるんだ。だからそれにしたんだよ」



未央「ほー…」



凛「…で、個性はもう良いの?」



未央「…」



凛「まだ解決してなかったんだ」

未央「多分ね、私達で話しててもダメだと思う」



凛「だと思うよ」



未央「んー…」



武内P「サインの、練習ですか?」



凛「わっ!!?」



未央「わわっ!?」

武内P「…成る程。個性、ですか…」



未央「うん。私の個性ってなんだろうって」



凛「私達で話してたんだけど、解決しなくて…」



武内P「そう、ですね…」



未央「…」



凛「…」



武内P「…これだ、というものは、無いのかもしれません」



未央「えっ…」



凛「ちょっ…」



武内P「ですが…例えば、本田さんが100人の人達の中に紛れ込んでいたとしましょう」



未央「…?」



武内P「私は、その中からすぐに本田さんを見つけられる自信があります」



未央「え、なに、ちょっと?」



凛「プロデューサー?」



武内P「…つまり、その…普通よりも、一際輝いている、ということです」



未央「…ほー…」



凛「…輝いてる…」



武内P「…上手く説明出来ず、申し訳ありません」



未央「あ!う、ううん!いい、いいよ、全然!」

凛「結局さ」



未央「うん」



凛「個性って、何?」



未央「…これがあったら、この人ですよ、みたいな」



凛「で、見つかったの?」



未央「何も」



凛「何もって…」



未央「でも、まあいいかなあって」



凛「どうして?」



未央「だって、プロデューサーがあんな自信満々に言ってくれたんだし」



凛「…嬉しそうだね」



未央「へへー…どうでしょう?」



凛「…まあ、いいけど」



卯月「未央ちゃん、凛ちゃん。何の話?」



未央「えーっと、ね」



凛「個性の話してたんだけど…」



卯月「個性?」



未央「うん。結局これだってのは無かったけどさ」



卯月「あ、私未央ちゃんの個性、分かりますよ!」



凛「え?」



未央「え!なになに?教えて!」



卯月「ピンクのパーカー!」



未央「言うほど毎日着てないからね!?」



凛「あ、そういえばピンクのパーカーだね」



未央「しぶりんまで!?いや仮にそれだとしても私の個性地味過ぎない!?」



卯月「でも何で今日は着てないんですか?」



未央「夏だから!!!」

杏「あの三人さ」



きらり「んー?」



杏「個性個性って言ってるけどさ」



きらり「うん!」



杏「あんだけうるさけりゃ個性関係無く目立つよね」



きらり「そう、だにぃ…☆」







凛「個性を探していますキャラは?」



卯月「だとしたら今ですね!」



未央「やかましいわ!!!」