ミカサ「そんなことクイズにするまでもない。私はエレンのことなら全て把握している」



アルミン「まぁ、ミカサ。これは訓練でもあるんだ」



ミカサ「訓練?」



アルミン「うん。何でも訓練兵同士の絆を深めるために、皆のことをもっと知ろうというのが目的らしいよ」



ミカサ「それで、なぜエレン?」



アルミン「それは訓練兵の中から無作為に選ばれただけだよ。ちなみに、解答者もミカサを含めて無作為に数名選んだらしいよ」



ミカサ「なるほど、理解した。けれどアルミンは、なぜそんなに詳しいの?」



アルミン「あぁ、僕は教官に頼まれて実行委員をやってるんだ」



ミカサ「そう、訓練もあるのに大変じゃない?」



アルミン「まぁ、大変だけど僕で力になれることがあるなら協力したいしね。それじゃミカサ、詳しいことはこの紙に書いてあるからよろしくね」



ミカサ「分かった。アルミンも無理しない程度に頑張って」



アルミン「うん、心配してくれてありがとう。それじゃ、また」





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ークイズ当日ー



ミカサ「アルミンに指定された場所へとやってきたのだけれど……」キョロキョロ



サシャ「あっ、ミカサ!」



ミカサ「サシャ、あなたも解答者に選ばれたの?」



サシャ「はい、そうみたいです。他にもいますよ」



クリスタ「今日はよろしくね、ミカサ」



アニ「……よろしく」



ミカサ「……クリスタ、よろしく」



アニ「私は無視するつもりかい……」



ミカサ「女狐……あなたがエレンに色目を使っているのは知っている。ので、今日は負けられない」



アニ「どういう理屈だい。そもそも色目なんて使ってるつもりはないよ」



ミカサ「とぼけても無駄。私は知っている」



アニ「はぁ……」



クリスタ「でも、今日はエレンについてのクイズがでるんでしょ?それなら、昔から一緒にいるミカサの圧勝じゃないかな?」



ミカサ「そう、私とエレンは家族。ので、アニに勝ち目はない」



アニ「別に最初から勝つ気なんてないんだけど……」



サシャ「優勝者にはお肉とかでないですかね?じゃないと、やる気がでません」



クリスタ「サシャ、これは訓練なんだよ。そんなものがなくても頑張らなきゃ」



ミカサ「クリスタの言う通り。皆にはこれを機にエレンのことをもっと知って欲しい。そして、私との絶望的な差を感じるための機会でもある」



クリスタ「ははは……」





『あ〜、あ〜、こちらアルミン。僕の声が聞こえてますか?』



4人「!?」



『聞こえてるなら、目の前の大きな暗幕を外してください』



ミカサ「アルミンの声が聞こえる。でも、姿は見えない」



アニ「暗幕を外せと言ってるけど……」



サシャ「これですかね……」



クリスタ「外すの手伝うよ、サシャ」



バサッ スクリーン バーンッ



4人「!?」



アルミン『こんにちは、皆さん。今日は集まってくれてありがとう』



ミカサ「大きなアルミンが大きな窓の中にいる……」



アニ「何だいこれは……」



サシャ「アルミン巨人みたいです!」



クリスタ「サシャ、巨人って……」



アルミン『これは、ある特殊な技術を用いて離れた場所を写しているんだ。驚いてると思うけど、特に気にしないで』



アニ「これ、立体機動並の技術じゃないの……」



ミカサ「アニ、アルミンが気にしないでと言っている。ので、気にしたら駄目」



アニ「……」

アルミン『今日は事前に通達した通り、エレンについてのクイズに答えてもらいます』



クリスタ「でも、クイズに答えるだけなのに何でこんな凄い技術が必要なの?」



アルミン『さすがクリスタ、いいところを聞いてくれたね。実は今日のクイズはただのクイズじゃないんだ』



サシャ「と、言いますと?」



アルミン『今からここにエレンを呼んで、この場で質問をするんだ。その質問に対するエレンの答えがクイズの解答になるんだ』



アニ「要するに、エレンに対する質問が私たちに対する問題でもあるってことかい?」



アルミン『そんな感じだね。でも、厳密にはその質問にエレンがどう答えるかってのが重要だからね。こちらが解答を用意しているわけじゃないから、エレンの気持ちになって質問に答えてみたらいいと思うよ』



ミカサ「理解した。これは益々私に有利なクイズ。エレンの思考=私の思考。ので、今日は私の独壇場となる」



アルミン『ふふふ、そうだといいね?』



ミカサ「アルミン?それはどういう意味……」ゴゴゴゴ



アルミン『さ、さぁ、何か質問はないかな?』



サシャ「はい!」



アルミン『何だい、サシャ?』



サシャ「優勝者には何か賞品はないんですか?」



アルミン『優勝者には夕飯に少しだけど、お肉が出るらしいよ』



サシャ「うぉぉぉ!!これは、負けられませんね!」



ミカサ「サシャ、残念だけど、どんなにやる気を出しても私には勝てない」



サシャ「勝負は終わるまで分かりませんよ」



アルミン『あっ!そういえば、最下位の人には懲罰が待ってるらしいから気をつけてね』



サシャ「な、何ですかそれは!?」



アルミン『懲罰の内容は秘密だよ』



サシャ「くっ、まぁどちらにしろ優勝すれば問題無しです!」



アルミン『とにかく皆、頑張ってね。それじゃ後ろに用意されている机に座って準備してくれるかな。その机には小さな黒板があるからそこに解答を書き込んで見せてね。正解数のカウントはこっちでやるから』



ミカサ「4人共着席した。さぁ、アルミン始めよう」



アルミン『了解、今からそっちの声はこっちに聞こえなくなるから。それと、エレンは皆が見てることは知らないから意外な本音が聞けるかもね。それじゃ、始めるよ!』



ーエレン入場ー



エレン『おい、アルミン。こんなところに呼び出して何だよ。質問に答えるだけじゃなかったのか?』



アルミン『気にしないでエレン。それじゃ、質問を始めるよ』



エレン『お、おう』



アルミン『第1問エレンの出身地は?』



クリスタ「こ、これって始まったんだよね?この質問にエレンがどう答えるかを考えればいいのかな?」



サシャ「まぁ、これは考えるまでもないですね」



ミカサ「窓の中に大きいエレン……大きいエレン……ハァハァ」



アニ「落ち着きなよ……」



〜解答オープン〜



ミカサ【シガンシナ区】



アニ【シガンシナ区】



サシャ【シガンシナ区】



クリスタ【シガンシナ区】



エレン『はぁ?何聞いてんだアルミン。お前も出身地は同じだろ?』



アルミン『まぁまぁ、エレン。ここは形式的なものだから一応答えて』



エレン『何だそれ?まぁ、いいや。俺はアルミンと同じシガンシナ区出身だよ』



〜全員正解〜



クリスタ「やったー!正解だ」



サシャ「お肉に一歩近づきました!」



ミカサ「これはサービス問題。このクイズの形式を理解させるための、例題のようなもの」



アニ「そんなところだろうね」





アルミン『それじゃ、第2問!エレンは訓練兵団第何期生?』



エレン『またそんな質問かよ……』



アルミン『いいから、答えて』



ミカサ「むむむ、こんな問題では私のエレンへの愛が示せない……」



その後も淡々と問題が続き、ミカサ全問正解、3 人は数問間違えた中、迎えた第20問目ーー



アルミン『第20問!エレンが兵団の中で好きな訓練は?」



ミカサ「この問題も簡単。エレンについてならこの程度、私にはぬるい」



サシャ「ミカサ、今日は饒舌ですね」



クリスタ「きっと大きなエレンが目の前にいて気分がいいんだよ」



アニ「なんだいそれは……」



〜解答オープン〜



ミカサ【立体機動】



アニ【対人格闘】



サシャ【立体機動】



クリスタ【馬術】



ミカサ「アニ、あなたは大きな勘違いをしている。エレンは巨人を駆逐するために兵団に入った。ので、巨人への対抗手段として最も有効な立体機動の訓練に力を入れている。対人格闘が好きな訓練と言うのは、あなたがエレンに教えているから、そうであって欲しいという願望でしかない」



アニ「長々とどうも。別にそんなつもりじゃないさ。ただ、私がそう思ったから書いただけ」



ミカサ「それが勘違いと言っているの。まぁ、もう1人勘違いしている人間がいるみたいだど」ギロッ



クリスタ「ビクッ……えへへ」



サシャ「ふふふ、私もミカサとどう意見です。これで、またお肉に一歩近づきました」



エレン『好きな訓練か……立体機動の訓練かな……』



ミカサ「やはりそう。私の考えに間違えはなかった」



エレン『入団当初だったらな』



ミカサ「!?」



エレン『今だったら、対人格闘の訓練が好きだな!』



ミカサ「エ、エレン!?」オロオロ



アルミン『へぇ〜、どうしてだい?』



エレン『最初はさ、対人格闘なんて巨人を倒すためには必要ないって思ってたんだ。けど、アニに稽古つけてもらうようになってさ、分かるんだ、自分が強くなっていってるのが。だからかな、対人格闘の訓練が楽しくってさ、いつの間にか好きになってた』



アルミン『ふふ、じゃ対人格闘が好きになったのはアニのおかげなんだ?』



エレン『ま、まぁな。アニには感謝してるよ』



〜アニ正解〜



ミカサ「……」



サシャ「ミカサが白目向いてますね……」



アニ「……///」



ミカサ「アニ……なぜ赤くなるの?」



サシャ「あっ、復活しました」



アニ「べ、別に赤くなんてなってないよ。ただ、勘違いしてたのはどっちかなって」ドヤァ



ミカサ「女狐ぇぇ……やはり今ここで削ぐべきか……」ゴゴゴゴ



クリスタ「私だってたまにだけどエレンに馬術のコツおしえてるんだけどな……」ブツブツ



アルミン『さぁ、まだまだ序盤だよ。準備運動はこれくらいにしてそろそろとばしていくよ!』



サシャ「アルミンもノリノリですね」



クリスタ「何か私も楽しくなってきた」



ミカサ「これ以上は間違えない」



そこからも淡々と問題をこなしていく4人……



アルミン『第67問、エレンの初恋の相手は?』



エレン『なっ!?そんなこと答えるのは嫌だよ!』



アルミン『エレン、これは訓練なんだ』



エレン『……分かったよ』



ミカサ「ふふっ……ふふふふふふふっ……」



サシャ「ミカサが壊れましたね」



ミカサ「素晴らしい。これは私とエレンの絆を知らしめる素晴らしい問題」



クリスタ「ミカサは自信満々だね」



ミカサ「当然。この問題の解答は私であるべき……むしろ、私でなければならない」



アニ「……ふんっ」



〜解答オープン〜



ミカサ【私】



アニ【いない】



サシャ【なし】



クリスタ【恋したことない】



ミカサ「……みんな悪あがきはやめた方がいい。認めたくなくても、これは事実」



サシャ「とは言いましても、あのエレンが恋なんて考えるとか思えません」



アニ「あいつの頭の中は巨人で一杯だからね」



クリスタ「ははは……」



アルミン『それで、君の初恋は誰なんだい?僕も知ってる人?』



エレン『いや、まぁ知ってるってか……』チラッ



アルミン『?』



エレン『なんつーか、俺初めてアルミンを見た時、男だと思わなくて……』



アルミン『えっ?』



エレン『い、今は違うぞ!っというか、男と分かってからはそういう風に見てないからな!』



アルミン『……』



エレン『……ごめん』



アルミン『……』



エレン『……』



ライナー『アーッ!!』



ーー映像が乱れたため、しばらくお待ちくださいーー



〜全員不正解〜



ミカサ「くっ、まさかアルミンが敵になる日が来るとは……やはりこの世界は残酷……」



クリスタ「今、ライナーが映らなかった?」



サシャ「はい、なぜかとても嬉しそうでしたね」



アニ「……」



アルミン『第81問!ミカサ、アニ、サシャ、クリスタ、この4人の中で不潔だと思うのは誰?』



エレン『……ひでぇこと聞くな』



アルミン『エレン!僕だって本当は……』



エレン『分かってるよ!これも訓練だからな、答えるよ!』



4人「……」



サシャ「何か急にエグい質問がきましたね……」



クリスタ「私、答え聞きたくないな……」



ミカサ「問題ない。この質問の答えは決まっている」チラッ



アニ「?……!!」





〜解答オープン〜



ミカサ【アニ】



アニ【ミカサ】



サシャ【私】



クリスタ【誰も思わない】



アニ「どういうつもりだい、ミカサ?」



ミカサ「それはこっちの台詞。エレンが私を不潔と思うはずがない」



アニ「それはどうだろうね。あんたいつもその小汚ないマフラーしてるじゃないか?案外、不潔と思われてるかもしれないよ」



ミカサ「その言葉は聞き捨てならない。このマフラーはエレンが私にくれた婚約マフラー。私が身につけていることをエレンは喜んでいるはず」



アニ「婚約マフラーって……」



ミカサ「そんなエレンを私から横取りしようとするアニは、卑しい女狐。ので、とても……とても、とても不潔」



アニ「それエレンじゃなくて、あんたからの視点じゃない……」



ミカサ「そんなことはない。きっとエレンも同じ結論に辿り着く」



アニ「……」



クリスタ「ま、まぁまぁ2人共。それよりも、サシャはどうして自分なの?」



サシャ「はい、私ってこの4人の中だと比較的泥だらけだったりすることが多いので」



クリスタ「あぁ、サシャって訓練の後、泥落とさずにすぐに食堂に行っちゃうもんね」



サシャ「お腹か空いてるのでそれどころではなくて……」



クリスタ「ふふっ、サシャらしいと思うよ」



サシャ「それに私ってミカサのせいで大衆の前で放屁する人間というイメージもあるので」



クリスタ「ず、随分と客観的に分析してるんだね」



サシャ「はい、お肉のためですから!」



アルミン『で、誰なのエレン』ワクワク



エレン『あ〜っ、そうだな……まぁ、その4人だったらサシャかな』



サシャ「よしっ!!」



クリスタ「正解だけど、喜ぶところなのかな……」



アニ「微妙なところだね……」



アルミン『やっぱり、サシャなんだ』



エレン『まぁな。だって、あいつ床に落ちたパンを平気で食うし、この間なんてこぼれたスープすら舐めようとしてたからな』



アルミン『ははは……してたね』



エレン『しかも、あいつその時泥だらけだったからな。その姿見てたら、何て言うか、その……本気で引いたっていうか、ああはなりたくないなと思ったな』



アルミン『確かに、あの姿は考えさせられるものがあったね』



サシャ「……」



クリスタ「大丈夫?」



サシャ「なして……」



クリスタ「サ、サシャ?」



サシャ「なしてエレンはあんな酷いこと言うん!?」ブワァッ



アニ「あんたも似たようなこと自分で言ってたじゃないか」



サシャ「あそこまでは言うとらん!」



エレン「エレンは冷静にサシャを分析していただけのこと。やはりエレンは優秀」



クリスタ「ミ、ミカサ!大丈夫だよ、サシャ!たまたま、エレンがそう思っただけだから」



サシャ「でも、アルミンもやっぱりって……考えさせられるものがあったって……みんな私のことを不潔って思って……」



クリスタ「こ、今度からは気をつけよう!食堂に行くときは泥をちゃんと落として、落ちたものは食べないように我慢しよ、ねっ、サシャ?」



サシャ「……はい」グスッ



アルミン『さぁ、質問はまだまだ続くよ』



エレン『おう、どんどん来い!』



4人「……」



その後は、4人を強烈な質問が襲っていく。

時にミカサを、時にアニを、そしてクリスタを、再びサシャを……

エレンの悪意なき言葉の暴力が、4人の心を消耗させていく。



クリスタ「私、もう帰りたい」ウルウルッ



ミカサ「この訓練は想像以上に堪える。正直、舐めていた……」



サシャ「でも、アルミンはなぜか楽しそうですよね」



アニ「はぁ……まだ、半分も終わってないよ」



アルミン『第128問!ミカサ、アニ、サシャ、クリスタ、この4人の中で可愛いと思うのは?』



4人「!?」



ミカサ「ふぅ〜、久しぶりに心が癒される問題」



アニ「何で答えがあんた前提なんだい……」



ミカサ「エレンが私以外を可愛いなど思うはずがない。アルミンが対象に入っていないなら尚更」



サシャ「ミカサがこう言うときって、全部外れてますよね」



ミカサ「サシャ」ギロッ



サシャ「ひっ……す、すみませんでした!」



クリスタ「私だと嬉しいな……」モジモジ



〜解答オープン〜



ミカサ【私】



アニ【クリスタ】



サシャ【クリスタ】



クリスタ【ミカサ】



ミカサ「クリスタはエレンをよく分かっている。私はとても嬉しい」



クリスタ「やっぱり、何だかんだミカサが一番かなって」



サシャ「そうでしょうか?やはりここは無難にクリスタでしょう!」



アニ「確かに。私から見てもクリスタは可愛いと思うからね」



クリスタ「えへへ……ありがとう」



エレン『可愛いか〜あんま考えたことないけど……サシャかな』



4人「!?」



アルミン『へぇ〜以外だね。さっき不潔だって言っときながら』



エレン『いや、さっきはそう言ったけど、あくまでそういった卑しい部分がそう見えただけで、普段のサシャを不潔とか思ってないからな』



アルミン『なるほどね。で、何で可愛いと思うの?見た目?』



エレン『いや、見た目とかって俺はよく分からねぇから……ただ、ちょっと矛盾してるかもだけど、サシャが食べ物を美味しそうに食べたり、必死に頬張ってる姿を見ると……なんつーか、胸が……』



アルミン『キュンとする?』



エレン『……///』



アルミン『へぇ〜、エレンにもそんな感情がね』



エレン『恥ずかしいから誰にも言うなよ!』



アルミン『……う、うん!もちろん誰にも言わないよ!』



エレン『今の間は何だよ』



アルミン『何でもないよ!さ、次の質問にいこう!』



〜全員不正解〜



サシャ「……///」



ミカサ「サシャ……覚悟はできた?」



サシャ「な、何の覚悟ですか!?」



ミカサ「然るべき報いを受ける覚悟」



サシャ「私は何もしてないじゃないですか!?」



ミカサ「言い訳はいらない。エレンは私にあんな顔をしてくれたことはない!ので、サシャの罪は重い」



サシャ「理不尽です〜!」



アニ「落ち着きなよミカサ。あの唐変木がサシャを可愛いって言ったのは、動物を愛でるような感覚だよ、きっと」



ミカサ「そう、なら許そう」



クリスタ「でもよかったね、サシャ。エレンはサシャのことを不潔と思ってたんじゃなくて、行為が駄目だったんだから挽回できるよ!」



サシャ「はい、むしろエレンは私を可愛いと思ってますからね!」ドヤァ



ミカサ「サシャ……やはり……」



サシャ「ひっ、嘘です!すみません!」



4人(今日からご飯をいっぱい食べよう……)



アルミン『第163問!エレンがこの人には負けたくないって人は?』



エレン『おっ、いい質問だな!』



サシャ「これは簡単ですね。普段のエレンを見ていれば分かります」



クリスタ「だね。やっぱりいつも衝突するあの人だよね」



アニ「……」



ミカサ「……」ニヤッ



〜解答オープン〜



ミカサ【ライナー】



アニ【私】



サシャ【ジャン】



クリスタ【ジャン】



サシャ「え〜っ、ここはジャン一択じゃないんですか!?」



クリスタ「そうだよ!あの2人ライバル心剥き出しだよ?」



ミカサ「確かにエレンはジャンにライバル心を持っている。しかし、それはよく衝突するから表面的に大きく見えるだけで、実はライナーへの方が負けたくないという気持ちは大きい」



サシャ「ほぇ〜、よく分かりますねそんなこと」



ミカサ「私は訓練中も絶対にエレンから目を離さない。ので、エレンがライナーに向ける、何でもこなすライナーへの憧れと負けたくないと悔しさの入り混じったあの視線に気づいた」



クリスタ「そんなにエレンをばっかり見てるのに、あの成績なんだ……」



ミカサ「そこが問題!」



クリスタ「えっ?」



ミカサ「私はライナーより強い。成績も上。なのにエレンはあの視線を私には送ってくれない」ショボン



クリスタ「そ、そうなんだ。残念だね……」



ミカサ「そう、残念。非常に残念なのでライナーは重罪。よってエレンの視線を独り占めした罰として、対人格闘の時間に刑を執行している」



サシャ「あぁ、だから対人格闘の時はライナーがよく宙を舞っているんですね」



クリスタ「衝撃の事実だね……そういえば、アニは何で黙ってるの?」



サシャ「どうやら、答えに自分と書いたのが恥ずかしいみたいです」



アニ「……///」



クリスタ「本当だ、照れてる。アニって実は照れ屋さんなんだ」



アニ「べ、別に……///」



ミカサ「奇跡は二度も続かない……」ボソッ



エレン『う〜ん、実際は兵士全員に負けたくはないけどな。やっぱ、何だかんだ言って……ミカサかな』



ミカサ「!?」



アルミン『そうなんだ。まぁ、成績トップだしおかしくはないけど……意外だね』



エレン『意外か?』



アルミン『エレンはミカサをそういう対象としてあまり見てはいないかなって。僕はジャンだと思ってたんだけど』



エレン「もちろんジャンにも負けたくないぞ。でも、ミカサは……家族だからな」



アルミン『家族だから?』



エレン『あぁ、巨人に壁が壊されたあの日、母さんが死んで……父さんは行方不明なって……実質、ミカサが唯一の家族になっちまった』



アルミン『……』



エレン『家族ってのは対等だ。あいつは俺を守るってうるさいけど、そんなの間違ってる。母さんと最後に会った時、思ったんだ。守るでも守られるでもない。一緒に戦うんだよ!家族だったらな!強いて言うならその先に守ったり、守られたりってのがあるんじゃないかって、この頃考えるようになった』



アルミン『エレン……』



エレン『何て偉そうなこと言っても、現状はミカサの足元にも及ばない。でも、俺はミカサには負けられないんだよ!一緒にいるためにはな!』



アルミン『そう……だね』



エレン『あっ、もちろんアルミンもだぞ!』



アルミン『えっ、僕?』



エレン『当たり前だろ?アルミンも実際はもう家族みたいなもんだしな。3人でずっと一緒にいるために、俺はアルミンにも負けられない』



アルミン『う、うん!僕もエレンには負けないよ!意地でも食らいついていってやる!』



エレン『あぁ!』



〜全員不正解〜



ミカサ「……」



サシャ「うわぁぁ!?ミカサが天に召されそうなほど満ち足りた顔をしています!」



クリスタ「よっぽど嬉しかったんだね……」



ミカサ「今日ほど心が満ち足りた日はあっただろうか?いや、ない。ので、私は今日新たに誓おう。エレンを守り続けていくと」



クリスタ「でも、エレンの言ったことはあまり理解してないんだね」



サシャ「ミカサらしいですけどね」



クリスタ「あっ、アニが机に顔を伏せてる」



サシャ「ライバルが自分と書いて外したのがよっぽど恥ずかしいんでしょうか?アニは、ミカサみたいに神経が太くないみたいですね」



ミカサ「アニ」



アニ「何?」



クリスタ「ミカサが話しかけても顔伏せたままだ。アニはかなりの照れ屋さんだね」



ミカサ「私はあなたを女狐と言ったことを謝罪しなければならない」



アニ「……」



ミカサ「あなたは女狐ではなく、女天狗だった……あっ、でも鼻が折られたのでやっぱり女狐だった」ドヤァ



アニ「!」ジタバタ



サシャ「伏せたまま、足をジタバタさせてますね。恥ずかしさがピークを超えたのでしょうか?」



ミカサ「ということでアニ、やはり謝罪は取り消させてもらう」



クリスタ「ミカサもここぞとばかりに容赦ないね……」



アルミン『でも、エレン。ミカサは成績トップ何だし素直に教わればいいじゃないかな?』



エレン『いや、だってあいつに教わろうとすると、無駄に心配してくるから訓練にならないんだよ』



アルミン『ははは、想像がつくね』



エレン『だから、あいつの訓練してるところを見て、技術を盗んでやろうと思ってもずっと俺のこと見てんだぜ、あいつ』



アルミン『それも想像がつくよ……』



エレン『まぁ、どちらにしろあいつの前でこんなこと言えないけどな!ははは!』



アルミン『だ、だね!さぁ、次の質問いこうか!?』



エレン『?』



アルミン『第201問!エレンの中でのミカサの印象を一言で表すと?あっ、家族って言葉は禁止ね』



エレン『えっ、家族禁止で、一言?難しいな……』



アルミン『エレンだったら絶対家族と言うと思ってね。言葉が禁止なだけだから、続柄で当て嵌めるのはありだよ』



ミカサ「エレン難しい質問ではない。冷静に考えれば簡単……というか、考えるまでもない」ハァハァ



サシャ「ミカサの目が怖いですね」



クリスタ「よっぽど言ってほしいことがあるんだよ、きっと」



アニ「まっ、想像はつくけど」



〜解答オープン〜



ミカサ【妻】



アニ【姉】



サシャ【姉】



クリスタ【お母さん】



ミカサ「みんな何も分かっていない。エレンは先ほどの問題で私とずっと一緒にいたいと言っていた」



サシャ「えぇ、家族として一緒にいたいと言っていましたね」



ミカサ「そう、ならば自ずと答えは出るはず。なのになぜ?」



アニ「それは端から見ればあんたたちの関係はこう見えるってことさ」



クリスタ「ミカサってエレンのお母さんみたいだなって、ずっと思ってたんだ」



ミカサ「くっ、まぁいい。泣きを見るのはあなたたちの方」



エレン『う〜ん、そうだな……強いて一言でいうのなら……ウザイ!』



アルミン『あちゃ〜』



エレン『どうしたアルミン?』



アルミン『いや、こっちの話。でも、また随分ストレートに表現したね』



エレン『アルミンだって知ってるだろ?あいつの俺への構い方』



アルミン『まぁね。でも、ミカサもエレンのことを思って……』



エレン『にしたって、やり過ぎだ。俺はミカサの子供でも弟でもないっての!だから、俺の中のミカサはウザイって評価だな!』



アルミン『ははは……』



〜全員不正解〜



ミカサ「……」



クリスタ「ミ、ミカサ?」



ミカサ「……」



アニ「その……悪かったよ。なれるといいね……妻に」



ミカサ「……グハッ」



サシャ「ミ、ミカサァァ〜〜!!」



ミカサ「……パクパク」



クリスタ「ミ、ミカサが吐血して、白目向いて、口をパクパクさせてる!?早く治療しないと!」アタフタ



アニ「落ち着いて、クリスタ。小さな声で何か言ってるみたいだよ」



ミカサ「ウザイ……ウザイ……ウザイ……あぁ、確か調査兵団の兵長がそんな名前だった……人類最強とか言われてる……あぁ、そうかエレンの中で私は人類最強……人類最強」



サシャ「ミカサ!それ、ウザイ兵長じゃなくて、リヴァイ兵長ですよ確か!?」



アニ「無駄だよ……今のミカサは現実から目を背けてる。私たちじゃどうしようも……」



クリスタ「そんな……」ウルッ



サシャ「ミカサとこんな形でお別れなんて……何て恐ろしい訓練なんですか!?」



アニ「仕方ないよ……訓練でも私たち兵士は常に死と隣り合わせってことさ」



アルミン『でも、いくらそう思っても邪険にしたら駄目だからねエレン』



エレン『分かってるよ。邪険にして、喧嘩して……二度と会えなくなることだってあるんだ。一番身に染みてるよ……』



アルミン『あっ……ごめん』



エレン『謝んなよ』



アルミン『でも、さっきから嫌なこと思い出させる質問が結構あって』



エレン『いいよ、別に。これは、こういうことでも動揺しないための訓練でもあるんだろ?』



アルミン『えっ?あっ……うん、そうだね……』



エレン『なら、仕方ねぇって。それに今ので改めて思えたしな。ミカサは家族だ、大切にしなきゃって』



アルミン『エレン……』



エレン『ここを卒業すれば、俺は調査兵団に入る。そうしたら、いつ死んでもおかしくないんだ。あんな別れ方……二度とごめんだ。だから、ミカサとは、なるべく喧嘩しない、したら直ぐに謝る……ようにする』



アルミン『そうだね、その気持ち、きっとミカサにも伝わるよ!』



ミカサ「伝わった!」カッ



サシャ「うわぁっ!復活しました!」



アニ「忙しいね、まったく」



クリスタ「でも、よかった〜」



ミカサ「勝手に殺さないで欲しい。私にはエレンを守るという使命がある」



サシャ「そのエレンに殺されかけてませんでした?」



ミカサ「サシャ」ギロッ



サシャ「ひっ、勘違いでした!」



ミカサ「寝ている私にエレンのずっと一緒にいようという声が聞こえてきた。ので、目が覚めた」



サシャ「そんなこと言ってました?」



クリスタ「さ、さぁ……」



ミカサ「エレンは今後、私を邪険にしないから一緒にいる。我慢出来ず、喧嘩しても、喧嘩別れはしないので一緒にいる。ので、私とエレンとずっと一緒にいるということになる」



クリスタ「ミカサって、すごい前向きなんだね。尊敬しちゃうな」



ミカサ「エレンのおかげ。エレンはいつも、私を前に向かしてくれる」



クリスタ「エ、エレンと一緒にいれば前向きになれるのかぁ」



ミカサ「残念ながらエレンと一緒にいるのは私。クリスタは他にそういう人を見つけるしかない」



クリスタ「あぅ……そっか……」ショボン



サシャ「あれって前向きなんですかね?」



アニ「さぁ、私には狂言にしかきこえないけどね」



アルミン『さぁ、いよいよ問題も折り返し地点だよ。第250問!ミカサ、アニ、サシャ、クリスタの中で苦手なのは?』



エレン「やっと半分か……ってか、何でさっきから殆どの質問がその4人にから選ぶんだ?」



アルミン『えっ?あっ、いや、まぁ、こっちにも色々な意図があってそういう質問なんだ。エレンは気にしないで 』アセアセ



エレン『ふ〜ん、まぁいいけど。それより苦手か……迷うな……』



ミカサ「これは迷う必要はない」



アニ「あんたもワンパターンだね。さっきから、そうやって決めつけて外してるじゃないさ」



ミカサ「次こそは間違いない」



アニ「はっ、どうだか……」



サシャ「私は不潔とは思われてても、可愛いとも思われていますから……大丈夫ですよね?」



クリスタ「でも、エレンの答えって読みづらいよね」



ミカサ「私には手にとるように分かる」



アニ「あんたも正解率大分下がってると思うけど……」



〜解答オープン〜



ミカサ【アニ】



アニ【ミカサ】



サシャ【クリスタ】



クリスタ【全員好き】



ミカサ「アニ……あなたは人のことをワンパターンとは言えない」



アニ「それは解答を聞いてからにしな」



サシャ「クリスタ、さすがにそれはないと思います……」



クリスタ「そ、そうかな。サシャは何で私なの?」



サシャ「いや、深い理由はありませんよ。ただの消去法です」



クリスタ「えっ……消去……法」ガシッ



サシャ「えっ!?」ゾクッ



クリスタ「それって……私がいらないから……残ったの?エレンにわたしはいらない存在って……」ニコニコ



サシャ「い、いえ!そんなことはありませんよ!ただ、この4人の中でクリスタが一番エレンとの関わりが少ないかなって……」ゾクッゾクッ



クリスタ「そ、そっか。確かにこの中だと私が一番関わりが薄いかも。ごめんね、急に掴んだりして」パッ



サシャ「い、いえ……」



エレン『苦手ってわけじゃないんだけど、その4人ならクリスタだな』



クリスタ「!?」



アルミン『これまた意外だね。どうして?』



エレン『いや、俺クリスタとはあんまり話したことないんだよ。だから、消去法でクリスタ』



クリスタ「えっ……」



アルミン『確かにエレンとクリスタが話してるところって、あんまり見たことないかも……』



エレン『だろ?馬術のときに少し教わったことあるぐらいだな』



アルミン『他にも話してるんだろうけどね。エレンの中ではその印象しかないんだ?』



エレン『あぁ、それぐらいしか記憶にないな』



〜サシャ正解〜



クリスタ「……」



サシャ「ははは……こういうこともありますよ、クリスタ」



クリスタ「……」サッ フラフラ~



サシャ「ク、クリスタ!?」



ミカサ「どうしたの、クリスタ?大きな窓の前に立って……」



クリスタ「ねぇ、私っていらない子なのかな、エレン!?」バンッバンッ



3人「ビクッ!!」



クリスタ「ねぇ、ねぇねぇねぇねぇ!!答えてよ、エレン!?」バンッバンッ



サシャ「ク、クリスタ!?落ち着いてください!」



クリスタ「何?」ギロッ



サシャ「い、いえ……」ビクビク



ミカサ「クリスタ、あなたは窓を叩くのをやめるべき。ここからではエレンに声は届かない……」



クリスタ「……」ジーッ



ミカサ「ので、やめて欲しぃ……」ビクビク



クリスタ「……」プイッ バンッバンッ



ミカサ「あぅ……エレン、私はあなたが叩かれるのを止められなかった……」



アニ「あんたまで、何やってるんだい……」



ミカサ「ごめんなさい、でも恐怖を感じてしまった」



アニ「クリスタ!」



クリスタ「……」バンッバンッ



アニ「……無視かい 」



ミカサ「……プッ」



アニ「……チッ、こうなったら仕方ないね」ガバッ ギュー



クリスタ「!?」バタバタッ



サシャ「アニ!?何を!?」



クリスタ「……」ガクッ



サシャ「ぎゃ〜〜!!人殺し〜〜!!」



ミカサ「サシャ、うるさい。アニはクリスタを絞め落としただけ」



アニ「そういうこと。そして……」ハッ



クリスタ「……カハッ」



サシャ「あっ、目覚めました」



クリスタ「ケホッケホッ……はっ、私は何を……」



ミカサ「クリスタ、あなたは悪霊にとり憑かれていた。ので、そこの魔女が除霊を施した」



アニ「色々と間違ってるよ……私は、クリスタの気が動転してたから、正気に戻しただけ」



クリスタ「そっか……ありがとう、アニ。私、エレンの答えを聞いたら、自分がいらない人間のように感じて……そしたら、目の前が真っ暗になって……」



ミカサ「それはクリスタの勘違い。エレンはそんなこと思う人じゃない」



クリスタ「う、うん……そう、だよね……」



エレン『でも、せっかくだし、これからはもっとクリスタと関わっていこうと思う』



クリスタ「えっ?」



アルミン『どうしてだい?』



エレン『せっかく、こういう風に自覚する機会があったんだ。今後はクリスタと仲良くなりたいと思ってな』



クリスタ「エ、エレン……」ウルウルッ



エレン『俺のイメージだけど、クリスタってみんなに好かれてるだろ?馬もよくなついてるし……だから、本当に優しくていい奴なんだろうなって』



アルミン『ふふっ、そうだね』



エレン『笑うなよ、アルミン!俺おかしいこと言ったか?』



アルミン『いや、僕もクリスタは優しくていい子だと思うよ』



エレン『せっかく、仲間になったんだ。俺はクリスタと仲良くなりたい!』



クリスタ「……///」ズキューン



ミカサ「はっ!?クリスタ今の効果音は看過できない。取り消すべき」



アニ「ミカサ……もう手遅れだよ。クリスタもエレンの天然たらしの被害者さ」



ミカサ「クリスタも?」



アニ「えっ?あっ……な、何でもないよ」プイッ



ミカサ「油断した。これで女狐が2人になってしまった」



クリスタ「えへへ……エレンは私と仲良くなりたいんだ……///」



サシャ「クリスタがまた自分の世界に入ってますね」



ミカサ「ぐぬぬ……」



アニ「はぁ……」



アルミン『第284問!ミカサ、アニ、サシャ、クリスタ、この中で抱きたいのは誰?』



4人「!?」



サシャ「今度は下世話な質問ですね」



クリスタ「エレンって、そんなこと考えたりするのかな?」



ミカサ「エレンも男性。私に対してそんな劣情を抱いても仕方ないこと」



アニ「……」



〜解答オープン〜



ミカサ【私】



アニ【私】



サシャ【私】



クリスタ【私】



ミカサ「……おかしい。これはクイズであってみんなの願望を答える場ではないはず」



クリスタ「が、願望じゃないよ!私は正解だって思ってるよ!」



サシャ「そうです。エレンは私を可愛いと思ってますからね。そういう目でも見てるはずですよ」



アニ「……///」



ミカサ「アニ……そんなに恥ずかしいなら自分と書かなければいい」



アニ「別に……///」



エレン『そうだな……その中だったらクリスタだな』



4人「!?」



エレン『何か小さくて可愛らしいし、ぎゅっとしてみたいってのはある』



クリスタ「エレン……///」



ミカサ「クリスタ……」ゴゴゴゴ



クリスタ「し、仕方ないよ!エレンが私のことをそう見てるんだし」ドヤァ



ミカサ「女狐2号……今後はもっと注意しないと」



サシャ「私ではありませんでしたか……あれっ、アニ?」



アニ「……///」プルプルッ



サシャ「顔を真っ赤にして心なしか震えてますね。恥ずかしいんですか?」



アニ「……///」



サシャ「喋る余裕もなし……」



クリスタ「サシャ、そっとしておいてあげなよ。アニも今は触れてほしくない……よね?」ドヤァ



アニ「!!……///」プルプルッ



アルミン『あー、エレン?もしかして言葉のままの意味で答えてない?』



エレン『はっ?どういうことだ?』



アルミン『あのね、この場合の抱くってのは……』ゴニョゴニョ



エレン『……っ!?』



アルミン『……って、意味合いになるんだよ』



エレン『ア、アルミン!何てこと聞くんだよ!そんなこと……そんなこと……///』



アルミン『答えられないって?エレン……男ならそんな気持ちを抱くのは恥ずかしいことじゃないんだ』



エレン『そ、そうなのか?』



アルミン『あぁ、他の男子にもそれぞれ思ってる人がいるばずだ』



エレン『そっか……分かったよ、アルミン!』



アルミン『理解してくれて、僕も嬉しいよ』



エレン『俺、さっきの答えを取り消すぜ!』



クリスタ「エ、エレン!?」オロオロ



ミカサ「さすがエレン。すぐに自分の間違いに気づいた。答えを私に……」



エレン『そういったことなら……アニかな』



ミカサ「……訂正するべ、き?」



アニ「!?」



ミカサ「今、聞こえてはならないもなが聞こえてきた気がした」



アニ「わ、私///」グッ



クリスタ「酷いよ、エレン。私の心をもてあそぶなんて……」



アルミン『どうしてアニか、聞いてもいいかな?』



エレン『いや、その……あいつと対人格闘してるとさ……その……』



アルミン『んっ?』



エレン『体が密着することがあるんだよ。その時に、さ……柔らかいもんが当たったりしてさ……』



ミカサ「……」ギリッ



エレン『変な気分になることがあるんだ。多分、これが……そういうこと……だろ?』



アルミン『そうだろうね。でも、まさか真面目なエレンが訓練中にそんなこと思ってたとはね』ニヤニヤッ



エレン『ち、ちげぇよ!基本的にはアニは容赦ないから痛いんだよ!でも、たまにそういう事故的な……』



アルミン『まぁまぁ、エレン。女性のそういう部分に触れたら興奮するのが男として正常だよ』



エレン『……///』



〜アニ正解〜



ミカサ「……」ギリギリギリッ



サシャ「ひぃ〜〜!!ミカサが人殺しの顔してます!!」



ミカサ「アニ……あなたの行いは許されることではない。死をもって償うべき」



アニ「は?何で私が。あいつが勝手に私をエロい目で見てるんだけど。むしろ、やめるように言っといてくれる?」ドヤァ



ミカサ「ぐぬぬ……あなたは調子に乗りすぎた。今、この場で、エレンを拐かした罪を断罪する」ダッ



サシャ「ミ、ミカサ!?落ち着いてください!!」ガシッ



ミカサ「サシャ、退いて。そこの女狐を削がなければ!」ギギギッ



アニ「ふんっ、やれるもんならやっててみなよ」ニヤッ



サシャ「アニも挑発しないでください!ってか、クリスタも止めるの手伝ってくださいよ!」



クリスタ「エレンのバカ……イジワル……仲良くしたいって言ってたのに」イジイジ



サシャ「……」



アルミン「僕がクズって言われてるみたいだけど、本当は僕もこんな質問するのは嫌なんだ!」



エレン「ア、アルミン!?」



アルミン「でも、話を盛り上げるためには仕方ないじゃないか!?それに途中からは君たちもこんな質問を望んでただろ!?」



エレン「誰と話してるんだ、アルミン!?」



アルミン「いいんだ……質問は最終的に僕の裁量で決めてるんだし。でも、僕のことで言い争わないでくれ……」



エレン「アルミン……」



アルミン「だから、これからもみんなは気にせずに意見を出してくれ。その結果、僕がクズという評価を受けても喜んで受け入れるよ。だから、言い争うのはやめて欲しいな!」



アルミン『第304問、エレンが最近、怖かったことは?』



エレン『んなもんねぇよ』



アルミン『まぁまぁ、些細なことでもいいからさ』



エレン『そうは言うけどな……』



ミカサ「常にエレンを見てる私には、これは簡単」



クリスタ「エレンが怖がってることってあったっけ?」



サシャ「記憶にありませんね……あっ、アニ蹴られてる時とかですかね!」



アニ「サシャ……」



サシャ「う、嘘です。すみません」



〜解答オープン〜



ミカサ【ライナー】



アニ【ミカサ】



サシャ【ご飯抜き】



クリスタ【教官に怒られた時】



クリスタ「サシャ、それはサシャが怖かったことでしょ?」



サシャ「はい、でもみんなご飯抜きは怖いと思いますよ」



ミカサ「それよりもアニ、エレンが私に怖いとはどういうこと?」



アニ「別に。私がエレンの立場だったらあんたに恐怖してるだろうなって思っただけ」



ミカサ「意味が分からない。嫉妬?」



アニ「自覚ないんだね……」



クリスタ「ミカサのライナーってのは何?」



ミカサ「これは先日の立体機動の訓練のこと。エレンは自分の背後から不穏な視線を感じ、戸惑っていた。振り返ってもライナーがいるだけなので首を傾げるエレンだったが、訓練の後、お疲れとライナーがエレンのお尻を軽く叩いた時、エレンを言い知れぬ恐怖が襲っていた」



3人「……」



サシャ「本当に訓練中もエレンを見ているんですね……」



ミカサ「何?私は聞かれたので答えたまで」



クリスタ「そ、そうだよね。私が聞いたからだよね」



サシャ「結局、その視線はライナーだったんですか?」



ミカサ「そう。ライナーは私のエレンの可愛いお尻を眺めていた」



クリスタ「お尻を?何でだろう?」



アニ「……」



エレン『あっ、そういえばこの間の立体機動の訓練の時……』



アルミン『何かあったの?』



エレン『あぁ、何か背後から嫌な視線を感じてな……でも、後ろを見てもライナーがついてきてるだけだったんだ』



アルミン『ライナーが?それで?』



エレン『その後も、訓練中は視線を感じ続けたんだが、結局、何もなかったんだ』



アルミン『それが怖かったの?』



エレン『いや、それで訓練の後にライナーが声かけながら俺の尻を軽く叩いてきたんだが、その時に視線を感じてた時のような……いや、それ以上の嫌な感じがしたんだ』



アルミン『その嫌な感じって、どういう感じなの?』



エレン『何つーか、表現しにくいんだけど、尻の穴がキュッとして、変な気分になるんだよ』



アルミン『何だい、それ……』



エレン『とにかく、その時にすっげぇ悪寒がして、何か本能的に恐怖したって感じだな』



アルミン『つまりはライナーが怖かったってことでいいのかな』



エレン『そうだな。その時だけはライナーが怖かった』



〜ミカサ正解〜



サシャ「すごいです!ミカサの言った通りですよ」



ミカサ「このくらいは当然」



クリスタ「ライナーはエレンのお尻が好きなのかな?訓練中も眺めてるなんてね」



ミカサ「それはライナーがホ……」



アニ「ミカサ!」



ミカサ「?」



アニ「こんなクイズしといてなんだけど、人には知られたくない秘密ってのがある」



ミカサ「……理解した。ということで、クリスタ。この先は言えない」



クリスタ「う、うん。ライナーの秘密に関わることなら仕方ないね」



ミカサ「アニがなぜライナーを庇ったか分からないけど、躾はもう完了している」



サシャ「躾……ですか?」



ミカサ「そう、その訓練の後からライナーがエレンの可愛いお尻を見る度に少々痛い思いをしてもらった。ので、今ではエレンのお尻を本能的に見ることができない」



サシャ「へ、へぇ〜。何か大変そうですね……」



ミカサ「躾には痛みが一番効く」



アニ「……はぁ」



アルミン『第337問、ミカサ、アニ、サシャ、クリスタ、この中で腹黒いと思うのは?』



サシャ「また嫌な問題がきましたね」



ミカサ「問題ない。これも答えは決まっている」チラッ



アニ「……はぁ」



クリスタ「私じゃありませんように……私じゃありませんように」ブツブツ



〜解答オープン〜



ミカサ【アニ】



アニ【サシャ】



サシャ【クリスタ】



クリスタ【アニ】



アニ「クリスタ、あんた思考がミカサに毒されてきてるんじゃないの?」



クリスタ「ち、違うよ!ただ、対人格闘の時間に色仕掛けするような人は腹黒いと思ったの!」



アニ「はぁ?だから、私は色仕掛けなんて……」



ミカサ「いや、クリスタの意見は正しい。それこそが、この卑しい女狐の本性」



クリスタ「だ、だよね」



アニ「はぁ……もういいよ」



サシャ「アニは何で私なんですか?」



アニ「あんたはたまに食糧庫に忍び込んだりしてるだろ?盗みは犯罪だよ」



サシャ「えっ?な、何のことですかね……」アセアセ



アニ「みんな、知ってるから……」



ミカサ「アニ、サシャのその行動は確かに褒められたことではない。けど、普段のサシャの行動原理から言えば妥当。ので、さして腹黒い印象にはならないはず」



アニ「あぁ……」



サシャ「納得されるのも悲しいですね」



クリスタ「サシャは何で私なの?」ニコッ



サシャ「そそ、それはですね!普段のクリスタを端から見ると、そういう印象が……」



クリスタ「?」



エレン『まぁ、腹黒いならクリスタだろ、多分』



アルミン『そんなわけないだろ!?』



エレン『ア、アルミン!?』ビクッ



アルミン『あっ、ごめん。で、どうしてクリスタなの?』



エレン『いや、俺、何回か見たことあるんだ。クリスタが自分の当番の仕事を他の男子にやらせてるところ』



クリスタ「!?」



エレン『それで、クリスタにはそういう一面もあるんだろうなって。普段が優しそうな分……』



アルミン『余計にそう感じたんだね』



エレン『まぁな』





〜サシャ正解〜



サシャ「やはりですか。私もそういう風に見えてるんじゃないかなと、思ってたんです」



クリスタ「ち、違うよ!あれは男の子の方から言ってくるの。でも、私は悪いと思うからいつも断ってるに、ユミルが強引に……」



ミカサ「それは言い訳に過ぎない。本当に悪いと思っているなら、それでも断るはず。クリスタの中でどこか了承しているから断りきれない」



クリスタ「ち、違う!私は……」



ミカサ「ので、クリスタは本当は腹黒い悪い子」



クリスタ「私は……私は……」



ミカサ「クリスタは腹黒い子、クリスタは腹黒い子、クリスタは腹黒い子……」ボソボソッ



サシャ「ミカサがクリスタの耳元で囁いてますよ」



アニ「あれじゃ、洗脳だね……」



ミカサ「クリスタは腹黒い子、クリスタは腹黒い子、クリスタは腹黒い子……」ボソボソッ



クリスタ「ワタシハ……ハラグロイ……コ……」



ミカサ「そう、クリスタは腹黒い子。ので、純粋なエレンとは釣り合わない」ボソッ



サシャ「うわぁ〜どさくさ紛れで、エレンから遠ざけようとしてますね」



アニ「まったく、どっちが腹黒いんだか……」



ミカサ「エレンと釣り合わない、エレンと釣り合わない、エレンと釣り合わない……」ボソボソッ



クリスタ「ワタシハ……エレン……ト……ツリアワ……ツリアワ……」



ミカサ「どうしたの、クリスタ?早くその言葉を心に刻み込んで」



クリスタ「ツリアワ……釣り合わなくても……手に入れる。たとえ、どんなに汚い手を使っても!」



ミカサ「!?」



クリスタ「そう、私は腹黒い子!だから、手段なんて選ばない!エレンに近づくためなら!」



ミカサ「チッ……これは想定外。クリスタは思ったより手強い女狐だった 」



サシャ「クリスタ、大丈夫なんですかね?」



アニ「さぁね。それよりも、とんだ茶番だったよ……」





アルミン『第377問、エレンが同期の中で何か覚醒しそうと思う人は?』



エレン『覚醒……』



アルミン『何か目覚めそうってことだよ』



エレン『覚醒の意味は知ってるっての!ただ、俺はまだ、人のそういうことを見極められるほどの人間じゃないからな……』



アルミン『まぁ、確かに難しい質問だけど、気軽に考えてくれてかまわないよ。あくまで、エレンが思う人を答えればいいからさ』



ミカサ「この問題は少し難しい……でも、大丈夫。私なら正解を導き出せるはず」



サシャ「問題がフワッとし過ぎてませんか?答え難いです」



アニ「今さらじゃない?」



クリスタ「500問もあるんだもん。そういう問題もあるよ」



〜解答オープン〜



ミカサ【エレン】



アニ【ライナー】



サシャ【アルミン】



クリスタ【ジャン】



サシャ「見事に答えが別れましたね」



クリスタ「だね」



アニ「まぁ、あいつが何か感じるなら身近な人間だろうから、みんな妥当だと思うよ……ミカサ以外は」



ミカサ「なぜ?」



アニ「なぜって……エレン自身がエレンが覚醒すると思うのかい?」



ミカサ「そう、エレンは近い将来ミカサに覚醒する。いや、もうしてる?」



アニ「聞かないでよ。てか、何だいミカサに覚醒って……気持ち悪いよ」



ミカサ「?」キョトン



アニ「……もういいよ。聞いた私が馬鹿だった」



サシャ「ミカサも相変わらずですね。まぁ、らしいですけど……ね、クリスタ」



クリスタ「クリスタに覚醒……///」ボソッ



サシャ「……」



エレン『あぁ、そういえば……』



アルミン『どうしたの?』



エレン『いや、この間さ、俺とジャンが食堂で喧嘩しかけたろ?』



アルミン『結構な頻度で君たちは衝突してるじゃないか。それじゃ、いつのことか分からないよ』



エレン『あれだよ。俺とジャンが掴み合いになって、その拍子にスープがミカサにかかった時』



アルミン『あぁ、あれか。ミカサの大事なマフラーにかかったって大変だったね』



エレン『それだ。それで、その後からジャンはミカサに口聞いてもらえなくなったみたいでさ……』



アルミン『ははは……ジャンも災難だね』



エレン『まぁ一応、俺のせいでもあるからな、ミカサと仲直りさせてやろうかって、ジャンに聞こうとしたんだけど……』



アルミン『何か問題が?』



エレン『ジャンの奴、見るからにやつれててさ、それに近づいたら……』



ジャン『今日もミカサに無視されちまった……何度話しかけても、無視、無視、無視!俺って空気だったっけか?でも、この無視される度に沸き上がるこの感覚は何だ?気持ちいい?いやいや、無視されて気持ちいいとかあり得ねぇだろ!?でも、この高揚感……やべぇ、分からねぇ……』ブツブツ



エレン『……ってなことを、真っ青になったり、ニヤニヤしながら、一人で言ってんだぜ。正直、気持ち悪くて話しかけられなかった』



アルミン『ははは……』



エレン『だからさ、ジャンと仲のいいマルコにジャンにことを聞いたら……』



マルコ『あぁ、ジャンは自分の中にある素質を開花させようとしてるんだ……いや、開発って言った方がいいのかな?とにかく、このままだったら間違いなく目覚めるんだろうね』



エレン『……って、遠い目しながら言われたんだ。だから、同期の中ならジャンが何か覚醒するんじゃないか』



アルミン『ははは……』



エレン『マルコはみんなの信頼も厚いし、マルコもみんなをよく見てると思うからな。そんなマルコの意見だ。間違いないと思うぜ』



アルミン『エレン……あんまり笑えないよ……』



エレン『?』



〜クリスタ正解〜



サシャ「どうやら、ミカサに覚醒しそうなのはジャンだったみたいですね」



アニ「……プッ」



ミカサ「アニ……なぜ笑うの?」



アニ「別に。というか、あんたこそジャンをどうしたいわけ?」



ミカサ「別にどうもしたくない。ただ、ジャンのエレンからもらった婚約マフラーを汚した罪は重い。ので、許すつもりは毛頭ない」



サシャ「逆鱗に触れるってやつですね……」



クリスタ「でも、それじゃジャンが可哀想だよ。せっかく同期で仲間になったんだし、ミカサはもっとジャンに優しくして仲良くならないと」



ミカサ「……クリスタ、そうやってエレンから私を遠ざけようとしても無駄。そんな手には乗らない」



クリスタ「……チッ」



サシャ「はわわわ、クリスタが本当に腹黒くなってます!?」



アニ「もとが純粋だったんだろうね。中途半端にミカサに洗脳されたわけだ」



サシャ「クイズが終わってもこのままだったら、ユミルが怒りそうですね……」



アニ「かもね。八つ当たりはあんたにいくわけだ」



サシャ「その時は助けてくださいね……」



アニ「……」



サシャ「アニ!?本当にお願いしますよ!?」



アルミン『第402問!ミカサ、アニ、サシャ、クリスタ、この中でいいお母さんになりそうなのは?』



ミカサ「これはエレンが現状で私を妻としてどれだけ認めているかが分かる問題。ので、答えは……」



クリスタ「そうなのかな?」ニコニコ



ミカサ「どういうこと、クリスタ?」



クリスタ「だって、今までの解答から考えると、エレンがミカサと答えるとは思えないよ」



ミカサ「そんなことはない。エレンには私が必要なはず」



クリスタ「ミカサ……本当は分かってるんでしょ?」



ミカサ「何を?」



クリスタ「エレンがミカサをどう思ってるかだよ」



ミカサ「……私は何度も言ったはず。ので、クリスタの言っていることの意味が分からない」



クリスタ「そっか。なら言っちゃうけど、エレンは確かにミカサのことを大切に思ってるよ。でも、それはあくまで家族としてで、女性的な観点からは見てないと思うの……」



ミカサ「?」



クリスタ「分からないふりしてもダメ。この400問の間にミカサも気づいてるはずだよ。そういう質問の時はミカサが選ばれたことはないって」



ミカサ「そ、それは!?」



クリスタ「ミカサ、この訓練の本質を見失わないで。今のミカサは自分の欲望を答えにしようとしただけだよ。エレンの気持ちも考えないで」



ミカサ「ち、違う!私は……」



クリスタ「ちゃんと現実に目を向けようよ。ねっ、ミカサ」ニコッ



ミカサ「そんな……やはり世界は残酷……なの?」ガクッ



クリスタ「ふふふ……」



アニ「……以外な展開だね」



サシャ「ですね。まさか、ミカサがクリスタに言いくるめられるなんて」



アニ「まぁ、ミカサの自業自得でしょ」



サシャ「クリスタをあんなにしたのはミカサですからね」



アニ「そういうこと」



〜解答オープン〜



ミカサ【私】



アニ【クリスタ】



サシャ【クリスタ】



クリスタ【アニ】



クリスタ「アニとサシャは私だと思ってくれたんだ」



サシャ「はい、クリスタは優しいのでいいお母さんになると思ったんですけど……」



クリスタ「けど?」ニコッ



サシャ「い、いえ!クリスタはいいお母さんになります!」



アニ「クリスタは何で私なんだい?もしかして、嫌味のつもり?」



クリスタ「そんなことないよ。アニって本当は優しいから、いいお母さんになりそうだなって思っただけだよ」ニコッ



アニ「……そう」



サシャ「今のクリスタの言葉は素直に受け止められませんね」



アニ「まぁね……」



ミカサ「私はエレンを信じている……私はエレンを信じている……」ブツブツ



クリスタ「ミカサはまだ認めないんだね……」



サシャ「何か痛々しくてミカサを見れないんですけど……」



アニ「面倒なことになる前に、早く終わって欲しいよ……」



エレン『いいお母さん……か』



アルミン『エレン……』



エレン『そんな顔すんなって。これも訓練……』



アルミン『違うんだ、エレン!』



エレン『えっ?』



アルミン『確かにこれは訓練ってことなんだけど、僕は……君に嘘をついているんだ』



エレン『はっ?どういうことだよ、アルミン!?』



アルミン『今は……言えない。でも、この500問の質問が終われば僕は君に全てを話し、謝罪するよ。だから、今は何も聞かずに、質問に答えて欲しい』



エレン『……分かった。アルミンがそう言うなら、今は黙って質問にだけ答える』



アルミン『エレン……』



エレン『だけど、終わってたらちゃんと説明しろよ!』



アルミン『うん、約束するよ』



エレン『それじゃ、ええっと……いいお母さんになりそうなのはだったな?』



アルミン『ミカサ、アニ、サシャ、クリスタの中でね』



エレン『まぁ、その4人の中だったらミカサだろ』



ミカサ「!?」



アルミン『どうしてだい?』



エレン『ミカサは家族として一緒に暮らしてた時、母さんの手伝いをよくしてたからな。イメージがしやすいんだよ』



アルミン『なるほどね。だから、エレンの母親像と被るミカサってわけか』



エレン『あぁ、他の3人のことは訓練兵になってからしか知らないしな』



アルミン『共同生活とはいえ、そういった部分は見えにくいかもね』



エレン『まぁ、ミカサはここでの生活でも、俺を必要以上に心配してくるけどな。あいつの心配性は母さん以上だよ』



アルミン『ははは、確かにミカサのエレンへの接し方は子供を心配する母親って感じだよね』



エレン『からかうなよ、アルミン。俺だって気にしてるんだからな』



アルミン『ごめんごめん。でも、自分を大切に思ってくれる人がいることは幸せなことだよ』



エレン『分かってるよ。とにかく、そんなところも含めて、ミカサは母さんと似てるんだよ。一緒にいて俺のことを気にかけて、心配して……それで、優しい感じが……』



アルミン『いいお母さんって感じ?』



エレン『俺の思うな。まぁ、ずっと一緒にいる俺が言うんだ、間違いないとは思うけどな』



アルミン『ふふっ、エレンも何だかんだ言って、ミカサのことをちゃんと見てるんだね』



エレン『そ、そんなんじゃないっての!』



〜ミカサ正解〜



ミカサ「私はエレンを信じていた。でも、少しでも迷ってしまった自分が恥ずかしい」



クリスタ「ち、違うよ!今のも家族としてミカサを見てただけで……」



ミカサ「クリスタ無駄。もう、あなたの戯れ言に惑わされない。エレンは私を見ていてくれた。それが真実」



クリスタ「で、でも……」



ミカサ「私はエレンのそばにいたいだけ……ただ、それだけだということを再認識した。ので、もう何も迷うことはない」キリッ



クリスタ「ぐぬぬ……次こそは……」



サシャ「何とかミカサが復活しましたね」



アニ「それより、このクリスタ本気でどうにかした方がいい気がしてきたよ……」



サシャ「同感です……」



アルミン『第452問!エレンが将来、子供につけたい名前は?』



エレン『はぁ?んなもん、考えたことねぇよ』



アルミン『まぁまぁ、とりあえず考えてみてよ』



ミカサ「私とエレンの愛の結晶。きっと可愛い子……」ハァハア



サシャ「というか、こんな問題正解出来るわけないじゃないですか!?」



ミカサ「そんなことはない。エレンのことを理解していればどんな問題でも正解を導き出せるはず」



サシャ「とは言っても、名前なんて男女で違いますし、選択肢もほぼ無限にありますよ……」



〜解答オープン〜



ミカサ【ミカン】



アニ【アレン】



サシャ【ポテト】



クリスタ【エレトリア】



サシャ「ミカサとアニは、何か欲望の垣間見える解答ですね」



ミカサ「ミカン……私とエレンの愛の結晶に相応しい素晴らしい名前。ので、これ以外は考えられない」



アニ「……///」



サシャ「でも、クリスタは意外ですね。名前に欲望を込めなくていいんですか?」



クリスタ「当たり前だよ。エレンとの大事な子供に自分の欲望を押しつけるなんて出来ないよ」



サシャ「これまた、今のクリスタからは意外な意見です」



クリスタ「むしろ、そんなことする人にエレンと子供を作る資格なんてないって私は思うよ」ニコッ



ミカサ・アニ「!?」



サシャ「……それでも、自然にエレンと自分の子供で想像してるところが怖いですよ……」



クリスタ「サシャは、何でその名前なの?」



サシャ「何か響きが美味しそうだからです!」



クリスタ「美味しそうって……サシャ、子供は食べ物じゃないんだよ」



サシャ「分かってますよ!私を何だと思ってるんですか!?」



アニ「あんたが変なこと言うからだろ……」



サシャ「そ、そうでしたね。ははは……」アセアセ



アルミン『何かいい名前は思いついたかい?』



エレン『全然、浮かばねぇよ……』



アルミン『ははは……この質問はやっぱ答え難かったか。とりあえず、適当でもいいから答えてよ』



エレン『……』



アルミン『エレン?』



エレン『……決めた!』



アルミン『思いついたのかい?』



エレン『いや、そうじゃねぇんだけど、この質問の答えは決めたぜ』



アルミン『どういうこと?』



エレン『俺には夢がある。巨人を倒して、外の世界を自由に旅するっていうでっかい夢が。子供にも、今みたいな窮屈な世界じゃなくて、そんな自由で広い世界を生きて欲しいんだ。だから、まずは俺がその世界を手に入れてやる!そして、その自由な世界に相応しい名前を子供にはつけたいって思うんだ。だから、今の段階では質問の答えは未定だ』



アルミン『素敵な考えだと思うよ、エレン』



エレン『ほ、本当か!?』



アルミン『うん、少なくとも僕はそう感じる』



エレン『ありがとう、アルミン。まぁでも、名前は俺だけで決めるもんでもねぇしな。俺の……その……将来の奥さんとも話し合うよ……///』



アルミン『ふふっ、そうだね、それがいいよ』



〜全員不正解〜



4人「……」



サシャ「これじゃ、ちゃんと考えた私たちが恥ずかしいですね。まぁ、私はそこまでないですけど……」



アニ「……///」プルプルッ



サシャ「あぁ、アニはやっぱり恥ずかし乙女状態ですか……」



ミカサ「エレンの考えは理解した。ので、巨人を世界から駆逐した後に、改めてミカンと名付けよう」



サシャ「ははは……ミカサはいつも通りですね」



クリスタ「……///」



サシャ「……何でクリスタが照れてるんですか?名前には欲望込めなかったでしょ?」



クリスタ「えっ?だってエレンが将来の奥さん(クリスタ)と考えるって言うから……」



サシャ「クリスタがミカサみたいになってますよ……」



ミカサ「クリスタ、それはあなたの勘違い。エレンは将来の奥さん(ミカサ)と、言っていた」



クリスタ「違うよ!将来の奥さん(クリスタ)って聞こえたもん!」



アニ「……///」プルプルッ



サシャ「私、何だか頭が痛くなってきましたよ……」





アルミン『ついにここまできたね』



エレン『あぁ、質問に答えるだけでも、500問もあると疲れるもんだな……』



アルミン『ふふっ、でもこれで最後の質問だよ』



エレン『よし、来い!アルミン!』



アルミン『それじゃ、第500問!ミカサ、アニ、サシャ、クリスタこの4人の中で結婚したいのは?』



4人「!?」



サシャ「最後の最後でこの質問ですか……嫌な予感しかしません」



ミカサ「なぜ?これは最後に相応しい素晴らしい問題」



クリスタ「ミカサは自信満々だね……不正解なのに」



ミカサ「それはどういう意味?」ゴゴゴゴ



クリスタ「そのまんまの意味だよ」ニコッ



ミカサ「クリスタ、あまり調子に乗らない方がいい。痛い目に遭うのはあなた」



クリスタ「そんなことないよ。だって、私は正解するから」



サシャ「あぁ、解答を聞く前からギスギスしてますよ……」



アニ「……///」カキカキ



サシャ「アニはアニで自分の世界に入り込んでますね……」



〜解答オープン〜



ミカサ【私】



アニ【私】



サシャ【私】



クリスタ【私】



クリスタ「サシャも、達観してたわりにはちゃっかりしてるんだね」



サシャ「はい、一応、私も流れに乗るべきかと思いまして」



ミカサ「みんながどう思おうが勝手。でも、エレンが私と一緒にいたがってるのは明白」



アニ「そう思うのこそ、あんたの勝手だけど、御託は結果が出てからにすれば?」



ミカサ「女狐……最後まで私の邪魔をするつもり?でも、私はこの問題で世界が美しいことを証明する」



アニ「ふんっ……」



エレン『結婚か〜』



アルミン『エレンはそういうこと考えたことないの?』



エレン『そうだな。今はそれよりもやることがあるしな』



アルミン『確かにそうだね。でも、将来のエレン自身の幸せのためにも一度、考えてみたら?』



エレン『とは言っても、選択肢を絞ってんじゃねぇか』



アルミン『ははは……まぁ、これはあくまで仮にだから、本当にこの4人の中から結婚相手を決めるわけじゃないよ』



エレン『あぁ、何か訓練としての意図があるって言ってたな』



アルミン『う、うん。そうなんだ。ちょうど4人は性格のタイプが違う感じだし、今までにも似たような質問があっただろう?そこら辺から考えてみてよ』



エレン『う〜ん……』



アルミン『エレンはそれぞれのことをどう思ってるの?』



エレン『そうだな……まずミカサは、俺のことを一番に考えてるってのは分かる。でも、あいつはもっと自分のことも考えるべきだ。というか、正直あんなに付きまとわれると、鬱陶しい』



ミカサ「!?」



エレン『アニは……何考えてるのか分からないな。基本的におっかないんだけど、たまに優しかったりもするし……でも、あんま感情が表情に出ないからな。やっぱ恐いわ』



アニ「!?」



エレン『サシャは、食い意地が張りすぎだな。食べることは大事だと思うがあそこまでいくと、ちょっとな……』



サシャ「!?」



エレン『クリスタか……優しくていい奴なんだろうけど……まだ、あんまり関わったことがないから正直、分からねぇ』



クリスタ「!?」



アルミン『ははは……なかなか面白い評価だね……』



エレン『そうか?でも、こうやって冷静に考えると……俺、この4人とは今のところ結婚出来ねぇよ』



アルミン『それが、エレンの答え……でいいのかな?』



エレン『あぁ、俺はこの4人とは結婚出来ねぇ!』



〜全員不正解〜



4人「……」



ミカサ「この世界はやはり残酷……そして、美し……くもない」ガクッ



アニ「……次の対人格闘の時間が楽しみだね」ボキボキッ



サシャ「エレン、酷いです。食べてる姿が可愛いと言っときながら……」グスン



クリスタ「これは夢……これは夢……これは夢……」ボソボソ





〜クイズ終了〜



クリスタ「これで、エレンへの質問は終了だよね?」



アニ「じゃない。疲れたよ、まったく……」



サシャ「私はお腹が空きました……」



ミカサ「この後は私たちはどうするべき?」



アニ「さぁ。アルミンから指示があるんじゃない?」



サシャ「そういえば、結果が1位なら夕食にお肉が出るんでした!私としたことが忘れていましたよ!」



ミカサ「サシャ、1位は私」



サシャ「そんなの分からないじゃないですか!?」



クリスタ「途中から数えてなかったもんね……」



アニ「500問もあったんだ。仕方ないよ」



アルミン『お疲れ様、エレン』



エレン『アルミンもな。で、これから俺はどうすればいいんだ?この訓練のことをちゃんと説明してくれるんだろ?』



アルミン『そうだね……それじゃ、言葉で説明するよりもこっちの方が速いと思うから、ついてきてくれるかな?』



エレン『あぁ、分かった』



サシャ「あっ、エレンたちが席を立ちましたよ」



クリスタ「こっちに来るのかな?」



アニ「そうじゃない?説明するって言ってたしね」



ミカサ「エレンに会える……」



ガラッ



アルミン「ここだよ……」



エレン「この部屋に何かあるのか?」



ミカサ「エレン!」ダッ



エレン「うおっ、ミカサ!?何でお前が……」



クリスタ「エレン、お疲れ様」



エレン「クリスタ!?それに……アニとサシャまで……」



アニ「私がいたら、悪いのかい?」



エレン「そんなこと言ってないだろ。あれっ?でも、この4人って……」



アルミン「気づいたみたいだね、エレン……」



エレン「質問によく出てた4人だよな。でも、どういうことだ?」



アルミン「それはね、あれを見てくれないかな」



エレン「はっ?何かあるの……か!?」



アルミン「君がさっきまでいた場所が映っているだろ?あれは特殊な技術を用いてあそことここを繋いでいるんだ」



エレン「えっ……」



アルミン「つまり、さっきまでの質疑応答は全て見られていたってことさ」



エレン「はっ?えっ……はっ!?」



アルミン「ごめんね、エレン。如何なる質問にも冷静に答えるだけの訓練ってのは嘘だったんだ。本当はエレンとの質疑応答をクイズ形式にして、ここにいる4人がエレンが何と答えるか考えていたんだ」



エレン「何だよそれ……それじゃ、あれも、これも……」



アルミン「みんな聞かれてたってことになるね」



エレン「ははは……」



アルミン「僕も最初は初の試みで、どんな結果になるのかワクワクしてたよ。でも、直向きに質問に答えるエレンを見ていたら……罪悪感が生まれてきたんだ。一応、訓練のためとはいえ、君を騙す形になって本当にすまないと思ってる」



エレン「……」



アルミン「エレン?」



エレン「……」



ミカサ「アルミン、今は何を言っても無駄。エレンは状況を理解できずに呆けている」



アルミン「……」



ミカサ「ので、この間にクイズの結果を発表するべき。その後に私が責任を持ってエレンを介抱する」



アルミン「……分かったよ。今はこの訓練を終わらせることを優先しよう。僕も正式な謝罪は後にする」



ミカサ「それが賢明。さぁ、早く結果を!今すぐ結果を!」



アルミン「焦らないでミカサ。それじゃ、結果を発表するよ……」



〜正解数発表〜



ミカサ【234】



アニ【94】



サシャ【125】



クリスタ【103】



アルミン「……という結果だよ。よかったね、ミカサ。この訓練の成績トップだよ」



ミカサ「当然の結果。エレンのことは私が世界で一番理解している。しかし、半分も正解できなかった自分が情けない」



クリスタ「ぐぬぬ……」



アニ「……ふんっ」



サシャ「あぁ……私のお肉が……」



ミカサ「これであなたたちも理解したはず。あなたたちはエレンのことを全然知らないということを」



クリスタ「い、今から知ってくんだよ!」



ミカサ「その必要はない。ので、今後はエレンに近づかないで欲しい」



アニ「何であんたがそれを決めるんだい?エレンと親しくなるかは自分で決めるよ」



ミカサ「エレンはそんなことを望んでいないはず」



アニ「それを決めるのはエレン自身、ミカサじゃない」



クリスタ「そ、そうだよ!エレンは私と仲良くなりたいって言ってたし」



ミカサ「女狐共め……成績下位分際で調子に乗らない方がいい」



アニ・クリスタ「!?」



クリスタ「わ、私よりアニの方が下だもん!今、エレンから一番遠いのはアニだよ」



アニ「クリスタ……喧嘩売ってるつもりかい?」



クリスタ「あっ、本当のことだから悔しいんだ?」ニコッ



アニ「くっ……」プイッ



ミカサ「私からすればどちらも同じ。ので、勝手に2人は醜い争いを続ければいい」



サシャ「うぅ……お肉……お肉……」シクシク



アルミン「ははは……嫌な空気になっちゃったね」



ミカサ「アルミン、成績最下位には懲罰があると言っていたはず。ので、この卑しい女狐を早く罰して欲しい」



アニ「!?」



クリスタ「そういえば、そんなこと言ってたね」



アルミン「そうだね。最下位のアニには懲罰が課せられるよ」



アニ「はぁ……仕方ないね。で、懲罰ってのは何なんだい?」



アルミン「それはね……この訓練は訓練兵同士が互いを知るためのものだからさ……」



ミカサ「アルミン、回りくどい言い方は要らない。早くこの女狐を地獄に……」



アルミン「いや、その……だからさ……」



ミカサ「どうしたの?」



アルミン「この空気の中言いにくいんだけど……アニには懲罰として、問題の提供者と今後1ヶ月、殆どの行動を共にしてもらうよ」



アニ「?」



アルミン「つまり、アニはエレンのことを全然理解出来てなかった。だから、今後1ヶ月エレンと殆どの行動を共にすることで、エレンのことをもっと知るってのが懲罰だよ!」



アニ「!?」



ミカサ「アルミン!?それはおかしい!そんなことは許されない!」



クリスタ「そ、そうだよ!そんなの……そんなのむしろご褒美だよ……」モジモジ



アルミン「まぁ、2人の言いたいことも分かるけど、これは始めから決まってたんだ」



ミカサ「それなら最初に言って欲しい。そうだと知っていれば私は……」



アルミン「そうなりそうだから内容は伏せたんだよ……」



アニ「し、仕方ないね。あんな色情魔と1ヶ月も行動を共にしないといけないとか嫌だけど、懲罰ならちゃんと受けないと///」ウキウキ



ミカサ「アニ、そんなに嫌なら私が代わってあげよう。無理はよくない」



アニ「白々しいよ、ミカサ。本当は代わって欲しいんでしょ?」



ミカサ「そう。なので懲罰を代わって、アニ」



アニ「嫌だね」ドャァ



ミカサ「女狐ェェェ!!」ゴゴゴゴ



クリスタ「ア、アルミン!」



アルミン「どうしたの、クリスタ?」



クリスタ「実は私、不正してたの。みんなの解答を何回か盗み見ちゃって……」



アルミン「えっ?」



クリスタ「私の正解数は不当なの。だから、本当の最下位は私。懲罰は私が受けるべきなの!」



アルミン「えっと……はは、ははは……」



クリスタ「アルミン、笑ってごまかさないで!私は真剣だよ!」プンプン



アルミン「そんなこと言われてもな……」



ミカサ「アルミン、実は私も不正をしていた。ので、懲罰は私が受けるべき」



クリスタ「ミカサ!真似しないでよ!」



ミカサ「真似ではない。事実を述べている」



アニ「1ヶ月かぁ……///」ウキウキ



サシャ「お肉……お肉……」シクシク



アルミン「もう、誰か助けてよ……」



エレン「……ちく……ゃる」



アルミン「エレン!?もう、大丈夫かい?」



エレン「ぉ……んく……くして……」



アルミン「エ、エレン!?」



エレン「お前ら全員駆逐してやる!!」ギギギギ



5人「!?」



アルミン「エレン!?どうしたのさ!?」



エレン「みんなで俺を辱しめやがって!全員駆逐してやるって言ってんだよ!」



アルミン「落ち着くんだ、エレン!」



エレン「うるせぇ!お前らが……お前らが……」ジワッ



ミカサ「エレン……泣いてるの?」



エレン「泣いてねぇ!」



アルミン「エレン、今回のことは本当に悪かったって思ってる。でも、これも訓練だったんだ!」



エレン「知らねぇよ、そんなこと!そのせいで俺はみんなの前で……前で……///」



クリスタ「エレン」ヒョコ



エレン「ク、クリスタ!?何だよ……」



クリスタ「あのね……エレンは私のことギュッと抱きしめてみたいんだよね?してもいいよ……私も、エレンと仲良くなりたいし」



エレン「う、うわぁ〜〜///」ダッ



アニ「待ちな」ガバッ ギュー



エレン「ア、アニ!?何すんだ!?いてぇよ!」



アニ「あんたが逃げようとするからだろ?私は懲罰として、1ヶ月あんたと行動を共にしないといけないんでね。勝手なことしないでくれる?」



エレン「知らねぇよ!離せよ、アニ!」



アニ「そういえば、あんた私がこうやって押さえ込んでると、変な気分になるんだって?とんだ、変態だね」



エレン「ッ!?///」ジタバタ



アニ「ほら、どうなの?変な気分になるのかい?」ギュー



エレン「べ、別になんねぇよ///」



アニ「本当?」ギュー



エレン「や、やめろよアニ!な、何か当たってるから!」



アニ「当ててるんだよ」ニヤッ



エレン「……///」



アニ「やっぱり、変な気分になってるんだね。いやらしいね、あんたは」



エレン「ッ!?///」ジタバタ



アニ「暴れても無駄だよ。綺麗に決まってるから力づくでは外せない」



ミカサ「……アニ、今すぐにエレンを解放して。さもなければ削ぐ」



アニ「解放しても削ぐつもりなんでしょ?」



ミカサ「聞かれるまでもない。削ぐに決まっている」



アニ「じゃあ、無理だね」ギュー



エレン「……///」



ミカサ「エレン……今すぐにその女を殺して、身体を引き剥がして、その汚いところから解放してあげる。だから、もう少し待ってて……」



アニ「あんた私を何だと思っているんだい……」



ミカサ「汚らわしい女狐に決まっている!」ダッ



アニ「おっと!下手に動かない方がいいよ……大事なエレンを傷つけたくないのなら」ギュー



エレン「い、いてぇよ、アニ!」ジタバタ



ミカサ「!?」



アニ「エレンは人質でもあるわけ。助けたかったら、大人しく指をくわえて見てな」ギュー



エレン「……///」



ミカサ「くっ……女狐ェェェ!あなたは調子に乗りすぎた。私が然るべき報いを与える」



アニ「へぇ、どうやって?」



ミカサ「サシャ」



サシャ「お肉……お肉……な、何ですか、ミカサ?」



ミカサ「私の賞品である、お肉を分けてあげる。ので、エレンからアニを引き剥がすのを手伝って欲しい」



サシャ「ほ、本当ですか!?」



ミカサ「本当。協力してくれる?」



サシャ「もちろんですよ!で、何をすればいいんですか?」



ミカサ「受け身をちゃんととって」ガシッ



サシャ「へっ?ちょっと……ミ、ミカサ!?」アセアセ



ミカサ「ふんっ!」ブンッ



サシャ「のあぁぁぁぁ〜〜!!!」ヒューン



アニ「!?」バッ



サシャ「ふんぎゃ!」ドテッ



アニ「サシャを投げつけるなんて……あんた正気かい?」



ミカサ「了承は得た。そして、エレンからアニを引き剥がすことに成功した。ので、問題ない」



エレン「い、今だ!」ダッ



アニ「ちっ、しまった!」



クリスタ「エ・レ・ン」ガシッ



エレン「うわぁ、クリスタ!?背中に飛び乗るなよ!」



クリスタ「気にしないで。ほら、早くしないとミカサとアニが追いかけてくるよ」ギュー



エレン「気にするっての!背中にしがみつかれたら走りにくいだろ!?」



クリスタ「大丈夫。私、馬術は得意だから」



エレン「俺は馬じゃねぇよ!」



クリスタ「細かいことは気にしないの。ほら、早く走って」ギュー



エレン「くっ、今は気にしてる暇はねぇか……」ダッ



ミカサ「女狐2号ォォォ……やはり、女狐を2匹同時に相手にするのは厳しい……サシャ」



サシャ「な、何ですか?もう、投げられるのはごめんですよ」



ミカサ「……分かった。けど、私がエレンを捕まえるまでアニが近づかないようにしていて欲しい」



サシャ「アニを相手に私がそんなこと出来るわけ……」



ミカサ「出来たのなら、今日のお肉は全てあなたのものになる」



サシャ「最大限努力します!」



ミカサ「契約成立」



サシャ「はい!ということで、アニ、邪魔させてもらいます!」



アニ「サシャ、私のパン1週間でどうだい?」



サシャ「パァァァン!はっ……しかし、ミカサとお肉の契約が……」



アニ「お肉は今日の夕飯のみ。でも、パンは1週間3食だよ」



サシャ「それは……魅力的ですね……」



ミカサ「サシャ」ギロッ



サシャ「ひっ、ミカサ……し、しかし……」



アニ「サシャ、とりあえず走りながら考えたら?このままだったら、エレンに逃げられる」ダッ



ミカサ「ちっ、悔しいけど同感。このままだったらエレンが、クリスタに汚される」ダッ



サシャ「わ、分かりました」ダッ



アルミン「ははは……みんな行っちゃった……この場から逃げても根本的な解決にはならないよエレン……」



「アルレルト訓練兵!」



アルミン「キース教官!」



キース「どうだった、今回の特別訓練は?」



アルミン「はい、やはり文献に記されてた通り、危険を含む訓練内容だったと思われます」



キース「うむ……書庫を整理していたら、見つかった文献に、過去に採用されていた特別訓練を記したものがあったので試してみたのだが……」



アルミン「あまりに過酷なために封印された禁断の訓練、というだけあってイェーガー含め、参加者は精神……いや、心に大なり小なり異常をきたしたようです」



キース「今後の訓練に支障は?」



アルミン「私とブラウス訓練兵はそこまで影響はないかと。しかし、問題提供者のイェーガー、解答者のアッカーマン、レオンハート、レンズ訓練兵は……」



キース「そうか……」



アルミン「今回の結果から、今後の特別訓練の施行は見送るべきかと……」



キース「検討しておく」



アルミン「こちらが、詳しい訓練記録を記したものです」スッ



キース「確かに受け取った」



アルミン「それでは私は、イェーガー、その他4人が心配なのでこれで」



キース「うむ、ご苦労だった、アルレルト」



アルミン「はっ、失礼致します」ダッ



キース「……」ペラペラ



キース(グリシャ……今日、お前の息子が……大変な目に遭ったっぽい……)



おわり