SS初投稿です。

誤字脱字、原作との設定矛盾など多々あるとは思いますがそこはIFだと目をつぶって貰えると幸いです。

ちなみに題名は俺ガイルと俺妹のクロスっぽいですがほぼ100%俺ガイルのみのSSになります

構成は最後まで考えていますが日を分けて徐々に投稿したいと思ってます。





ではよろしくお願いします。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378087408







―――10年前





『 決めた!私お兄ちゃんと結婚してあげる!それで私が一生側にいてあげるの! 』



『 はぁ?突然上から目線で何言ってんのお前?それに兄妹で結婚なんて出来るわけないだろ。あとそんな事があったら父さんに殺されるわ』



『 そんなの知らないもん!私が大人になったらお兄ちゃんと結婚するのー!! 』



『 はいはい、んじゃその時までにポイント貯めてたら有り難く養われてやるよ 』



『 ポイントってなーに? 』



『 要するに俺が小町と結婚したくなるような行動を起こせばポイントだ。まぁ冗だn… 』



『 じゃあ私が大人になるまでに頑張ってポイント貯めまくるからその時はちゃんと結婚してよねお兄ちゃん♪ 』



『 ハイハイ分かった分かった。あとそういうことあんまり外で言うんじゃ無いぞ、親に聞かれて俺が殺されかねないからな 』



『 えへへ/// よくわからないけどわかったー! 』



『 どっちだよ… 』





―――



???「ヒッキー!ヒッキー!」



結衣「ヒッキー!起きてよ!ヒッキー!」ユサユサ



八幡「…?…おぉスマンいつの間にか寝てたみたいだ」ムニャムニャ



八幡(何だ今のは…?夢…だったのか?)



結衣「もう!せっかく上達した料理の腕を披露しようとヒッキーの為にクッキー焼いて持ってきたのに寝ちゃうなんて、ヒッキーマジ酷い!」プンスカ



雪乃「あら比企谷くん、てっきり由比ヶ浜さんの料理を食べるのが苦痛だから危機回避本能に従って自ら命を断ってしまったのかと思ったわ。」



八幡「寝起き早々俺を[ピーーー]のはやめてくんない?どんなに社会が俺を抹殺しに来ようとしぶとくヒモになって生き続けるのが俺のポリシーだから。自殺とかマジありえないから。まぁこれから死ぬもとい殺されるのは間違いじゃないかもしれないが」



結衣「ちょっ、ゆきのんもヒッキーも酷いよ!?確かに前回はちょっと失敗しちゃったけど今回はきっと大丈夫だから!(´;ω;`)」



八幡「きっと大丈夫って…余計心配になって来たぞ。まさか隠し味に挽肉やらたくあんやらジャムやらが入ってるとかないよな?」



雪乃「それに関しては大丈夫だわ。使う材料だけは前もって私が計量して用意しておいたから。由比ヶ浜さんがよほど独創的な調理をしない限りはなんとか食べられるものが出来るはずよ。」



結衣「二人ともさっきから酷すぎ!確かに隠し味にいちごと桃とヨーグルト入れようとしたらゆきのんに怒られたけど、でも今回は何度も練習したし多分大丈夫だもん!」プンスカ



八幡「それでも多分大丈夫なんだな…で?その俺の為に焼いてくれたクッキーはどこ?」



結衣「それはここだけど……って、は、はぁ?!/// 別にこれはヒッキーの為に焼いたとかそういうのじゃないし!何勘違いしてるの!?ヒッキーマジでキモい!!///」



八幡「冗談だから…そんなに怒らなくても…」(さっき俺の為とか言ってなかったっけ…?)



雪乃「そもそも貴方の為にわざわざ料理を作るなんて毒見以外ありえないわ、自意識過剰(ひきがやはちまん)くん?」



八幡「わざわざ材木座の小説で学んだラノベ特有のルビ振りを駆使して俺をディスらなくていいから。そんな悲しい能力者が学園都市にいたら読者泣くぞ?あと相当由比ヶ浜の事もディスってるからな、それ」



結衣「ちょ、ちょっと待って!だから、これは日頃奉仕部にお世話になっててそのお礼と言うか…感謝と言うか…とにかく二人の為に作ったの!!///」



八幡「えっ…これが本当のお礼参りか…というか由比ヶ浜に感謝されるようなことは何もしてないんだがな…まぁせっかく作ってくれたんだ、覚悟決めていただくか。」



雪乃「そうね、私もお礼される筋合いはないのだけれど由比ヶ浜さんの意気込みを無下にするのは心苦しいし私の為でもあるのなら、その…友達……として食べない訳にも…いかないわね…///」ゴニョゴニョ



結衣「ゆきのん…!///」



八幡「では」カクゴカンリョウ



八幡、雪乃「いただきます。」サクッ



結衣「…///」ドキドキ



八幡、雪乃「こ、これは!!!?」



八幡「…不思議だ。う、ウマい…!」



雪乃「意外ね…美味しいわ!」



結衣「…よかった〜!って二人ともどんだけ酷いの想像してたんだ?!」



八幡「そりゃあ由比ヶ浜が作る料理だからな、いくら雪ノ下が材料を揃えたとしてもダークマターが出てきてもおかしくはない」



雪乃「失礼ね、比企谷君。いくらあの由比ヶ浜さんだからと言ってもクッキーの材料から未知の物質を錬成できるはずは無いわ。漫画やアニメに影響されすぎじゃないかしら、オタ企谷君?」



八幡「ことある事に俺を攻めようとする姿勢はなんなの?前世か何かでお前に酷い仕打ちでもしたの俺?ってかやっぱりそれ由比ヶ浜もディスってるからな」



結衣「あはは…。でも二人とも喜んでくれたみたいで良かった!」



八幡「まぁもともと由比ヶ浜は多少誇張はあったが異次元レベルで料理下手な訳では無かったし今回みたいに分量と手順がしっかりしてれば上手く作れるんじゃないのか?」



結衣「それって私の事褒めてくれてるって事でいいんだよね?ヒッキー!」



八幡「…と、ともかく今回はまぁ…なんだ、美味しかった。ご馳走…様でした…//」ボソッ



結衣「はい。お粗末さまでした!」ニコッ



八幡「…お、おう。」(クソっ、また勘違いしそうになっちまったじゃねーか!)



雪乃「……」

ドアガラー

平塚「邪魔するぞ。おっ、甘い匂いがするなぁ!雪ノ下がまた何かお菓子を作ったのか?」



雪乃「平塚先生、だから教室に入る前にはノックを。あとこれは私ではなく由比ヶ浜さんが作ったクッキーの匂いです。」



平塚「えっ?あの由比ヶ浜がクッキーを?お前たち、体の具合は大丈夫か?特に比企谷の目がだいぶやられているようだが?」



八幡「だから目はもともとだって…あと雪ノ下に加えて先生まで俺に攻撃されると精神が持たないんですけど」



結衣「平塚先生まで酷い!てか私の料理の評価って先生たちにまで広まってるの?!」ガーン



平塚「ハハハ、冗談だ。まぁ由比ヶ浜に関しては家庭科の先生から小耳に挟んだ程度だったがそのクッキーを見る限りだと夏休みのボランティア活動の頃よりは見違えるほど上手くなったんじゃないか?どれ、私も1枚頂こうじゃないか」サクッ



結衣「ど、どうですか…?」ドキドキ



平塚「…!?驚いた、見た目だけじゃなくて本当に美味しいじゃないか!これなら嫁に行っても安心だな、由比ヶ浜!」



結衣「!!せ、先生、嫁ってまだ…早いですよ…///」チラッ



八幡「…!」(なぜコッチを見る!)メヲソラス



平塚「嫁に行くのは早い事に越した事はないぞ、由比ヶ浜!行き遅れると本当にロクな事がないからな!」



八幡「ロクな事が無いってそれは平塚先生のことじゃ…ゴフッ!」ドゴォ



平塚「フンッ!まぁとにかく嫁入り前に色んなスキルを習得しておくことは悪くない。これからも腕を磨いておくんだな、きっと将来何かしら役に立つだろう」



結衣「…あ、ありがとうございます」(なんだか言葉が重いなぁ)



雪乃「それで平塚先生、今日はどうして奉仕部へ?」



平塚「いや何、特にこれといった用事は無いんだが、強いていえば顧問としてお前たちがちゃんと部活動に励んでいるか見に来ただけだ」



八幡「要するに暇だったのか」



平塚「ひ、比企谷!それは違うぞ!別にこの後予定していた合コンが向こうのドタキャンで中止になったからする事が無くなって仕方なく奉仕部の様子を見に来てやっただけだからな!勘違いするなよ!」ツン!



雪乃、結衣「はぁ…」



平塚「本当に本当なんだからな…別に慰めて欲しいとかそういうんじゃ…(´;ω;`)」ウッ



八幡「…そうですか。」(お願いだから誰か早く貰ってあげて!)

平塚「グスッ……さ、さてと、しっかり部活動も励んでいるようだし私はこれで退散するとしよう。クッキーご馳走様、美味かったぞ」



結衣「えへへ。いえいえどういたしまして」エッヘン



平塚「あとはちゃんと後片付けして帰るようにな。ではまた明日!」ガラガラピシャ





雪乃「ふぅ…まったく、平塚先生は奉仕部を何だと思っているのかしら?」



八幡「まぁ俺らも部活動と言っても大抵本読んでるだけだけどな。つか今のはやっぱり合コンが流れたストレスを俺を殴って解消しに来たようにしか思えないんだが?」



雪乃「あら良かったじゃない、こんな貴方でも他人のストレスを受けとめる捌け口という人生での役割が見つけられて」



八幡「はぁ?そんな役割しか無い人生ならぶっ潰してやるよ。ヒモになる希望はあってもサンドバッグになる希望は無い。…まぁ確かにヒモになる以外にこれと言って他に出来る事がある訳ではないがな。」



雪乃「よくそんな情けないことを堂々と発言出来るわね…。でもそんな貴方だからこそ出来ることもあるし、それに救われてる人もいたりするものよ」フフッ



結衣「そうだよヒッキー!ヒモになる以外にも色んなことが出来るって私もゆきのんも知ってるからね!」



雪乃「わ、私はそんな事知らないけれど…//」



八幡「そんな事ってどんな事だよ…それに俺を見て救われるって要は上から俺を見て安心してるってだけだろ。まぁ他人にどう思われようが関係ないけどな。」



結衣「またそうやって捻くれて考えるー!ちゃんとヒッキーを正面から見てる人だってここにはいるんだからね!///」



八幡「っぐ///……はいはい、今の八幡的にポイント高いよって…ポイント…?」



八幡(そういやさっきポイントがなんとかの夢を…見たような)ダンマリー



結衣「え?ポイント高い?やったぁ!…って違うし!やっぱりヒッキーマジキモい!///」



雪乃「わ、私は別に比企谷君を見てる訳では無いわ…ただその…///」ブツブツ



結衣「ちょっと!ヒッキー聞いてる!?ってヒッキーもゆきのんも黙って考え込んでしまった…(´・ω・`)」



―――校内 生徒玄関前



結衣「結局あれからゆきのんは最後まで固まったまんまで下校時間になったら鍵だけ置いて逃げるように帰っちゃうし、ヒッキーはヒッキーでぶつぶつ最後まで独り言言っててマジキモかった」



八幡「ちょっと考え事してだけだって、その…悪かった」



結衣「フーンだ!せっかく二人に作ってきたきたクッキーも余っちゃったしちょっとガッカリしてるんだからね」



八幡「でもそのクッキーは本当においしかったぞ。味だけなら雪ノ下にも勝ると劣らない味だ。」



結衣「ほ、本当に!?やーでもそれはちょっとヒッキー大げさじゃ…」テレッ



八幡「俺は思ったことは素直に言うタイプだ。だから不味かったら不味いって言うし、美味しかったら美味しかったって素直に褒める」



結衣「……ヒッキーのバカ///」ボソッ



結衣「そうだ、この余ったクッキーヒッキーにあげる!別にヒッキーの為って訳じゃなくて小町ちゃんとかにも食べてほしいなぁなんて思ってたりだからその…」



八幡「フッ、わかってるよ。それより小町にこのクッキー食べさせて作ったのが由比ヶ浜だって聞いたら卒倒するかもな」



結衣「うっ…弄られ慣れてきたけどそんなに私の料理は酷いんだ…orz」



結衣「…でもね、今回ゆきのんの助力もあったけどやっと『おいしい』って言ってもらえる料理が出来て本当にうれしかったんだ」



八幡「だから料理は美味い不味いじゃねーって。肝心なのは気持ちだって…」



結衣「うん、もちろんあの時ヒッキーが教えてくれたから分かってるよ!でもやっぱり大切な人には『おいしい』って言ってもらいたいんだよ…」ボソッ



八幡「そ、そうか…///」



結衣「だからヒッキー!私これからも料理頑張るからその時はまた…食べてくれる…?///」



八幡「…な、…ぅ///」



八幡(ボソッと言ったやつとか全部聞こえてるからぁ〜〜〜!!!!ぐおおおおおお!!!!落ち着け比企谷八幡!これは俺の勘違い!またここで過去何度もミスをしてきた選択肢を間違えて壊してしまうのか?否!否!否!ならば俺は……!だけど…、だけど!今回だけ、今回だけはラブコメの神様も許してくれるはず…!)



八幡「そ…、しょうだなまた由比ヶ浜のひょうりた、食べて…いです。」(噛んだ…死にたい…)



結衣「…わかった/// バイバイヒッキー!また明日ね!///」タタタッ



八幡「…やはり俺の青春ラブコメは間違っている…のか?」

―――比企谷家



八幡(文化祭の時も今日もそうだがあんなに自分に言い聞かせてきた事が最近破たんして来ている気がする…)



八幡(やはり奉仕部に入って雪ノ下や由比ヶ浜と出会った影響が大きいのだろうか…否、そんな他人に影響されて変わるほど比企谷八幡は甘くないはずだ。)



八幡(自分がどうしたいか、本当はどうしなきゃいけないというのはわかっているんだ…でもその一歩を踏み出す勇気は俺にはまだ…)ハァ…



小町「たっだいまーお兄ちゃーん!ってうわぁ…いつも以上に目を濁らせてお兄ちゃんがハァハァしながらなんか考え事してるよ…小町怖い><」



八幡「実の兄を不審者みたいな扱いするなよ…。あぁそうだ小町、お前に良いものをくれてやろう」



小町「ん?んん?なになにお兄ちゃん?もしかして愛とか夢とか希望!?」



八幡「うぜぇ…ちなみに友情、努力、勝利でもないからな」



小町「ああ、そういうのはいいんで。んでお兄ちゃん良いものってなんなの?なんなの?」



八幡「こいつと分けるのが肉たらしくなってきた…ほらよ、クッキーだ」



小町「クッキー?分ける?ははーん!小町分かっちゃった!雪乃さんからまたもらったんだね!お兄ちゃんも何だかんだで隅に置けないなぁこのこの〜」



八幡「とにかく食べてみろって」イラッ



小町「はいはーい」



八幡「はいは一回な」



※小町「むー。そういう細かいところは小町的にポイント低いよ!もっとお兄ちゃんはガサツでズボラで怠けてて私がいないと生ける生ごみみたいな感じじゃないと!」



八幡「俺は専業主婦志望だ。働く気は無いが怠惰な日々を送る気は微塵もない(キリッ」



小町「ワーカックイイー。でも最近のお兄ちゃんは小町がいなくてもしっかりやっていけそうだけどね…ヨヨヨ」



八幡「俺は小町がいないとすぐ死ぬけどな(キリッ」



小町「っ…///そうやって無意識のうちに小町のポイント上げるの反則だから!!!」



八幡「そのポイント制度にルールなんてあるのかよ!?」



小町「あるよ〜!大あり、オオアリクイなんだから!」



八幡「寒い…てかはやくクッキー食べろよ。」



小町「はいはーい」



八幡「だからはいは一回(ry」



―――以下10回ループ(※に戻る)



八幡「ハァハァ流石に同じやり取りを10回繰り返すとか無いわ」



小町「小町達も3回くらいで飽きて実際4回しかループしてないけどね」



小町「ふぅ…で、ようやくこのクッキーにたどり着いたのでした!〜k」



八幡「〜完〜ってネタはやめろよ?」



小町「お兄ちゃんに行動を読まれた!?」



八幡「小町の次の行動を読むのなんて安房鴨川駅から鴨シーまで徒歩で行くくらい簡単だぜ!」



小町「なにその微妙な難易度。だいたいバスで5分くらいの場所なのになんで徒歩!?」



八幡「その絶妙な距離感が俺と小町のココロの距離ってことだ」



小町「そんな…!小町とお兄ちゃんの間には2km位の間が!?」



八幡「もーめんどくさいから千葉話はこの辺でいいだろ?俺実は埼玉生まれだし」



小町「そっちの方がビックリだよお兄ちゃん!」



八幡「嘘だ嘘。それより小町、なんで今日に限ってそのクッキーに手を出さないんだ?いつもなら俺の話なんか無視してクッキーを食べているところだろ?まさか小町お前…」



小町「…あーうん実はそうなんだ…やっぱり…そのクッキーはね…」



八幡「食べずに見抜くとは…!やはり小町は出来る娘だったんだな、お兄ちゃんちょっと嬉しい。実はな、それ由比ヶ浜が作ったクッキーなんだ」



小町「うん…このクッキーは私じゃなくてお兄ちゃんのために頑張って作ったオーラが凄すぎて私には…って雪乃さんじゃなくて結衣さんが作ったのこのクッキー!?」ガターン



八幡「おいおい、そんな尻もちつくほど驚くことかよ…確かに食べた時は俺もかなり驚いたけどさ…」



小町「流石に今のはちょっとオーバーだったかな?でもあの結衣さんがここまでやるとは…そっか…」シミジミ



八幡「良くわからんが驚いた理由が違うってことはじゃあなんでクッキー食べなかったんだ?」



小町(良かったあれは聴かれてなかったんだね。)



小町「いや〜おやつ食べ過ぎちゃってお腹いっぱいでさ。それにせっかくの結衣さんの『おいしく』食べられるクッキーなんだからさ、お兄ちゃんが全部食べなきゃ結衣さん悲しむよ〜?」



八幡「まぁ俺もお腹いっぱいだから今はいいや」



小町「まーたそんなこと言ってごみいちゃんは〜早く食べて感想のひとつやふたつ結衣さんに連絡しなきゃ駄目でしょ?」



八幡「それよりもせっかく由比ヶ浜が『おいしく』作ったクッキーなんだから後日一緒に食べようぜ、小町」



小町「そうやってまた小町のポイント稼ぐのズルい!/// まったく…一日に禁じ手を2回使うのは罰ゲーム級の反則だから!」



八幡「うわ、でたまたよくわからないポイント制度…」



八幡(そうだ丁度いい、あの時の夢の真相を小町に聞いてみるか…でもあれを言ったらもしかしたら小町との関係すら壊してしまうことに…?それでも…!)



八幡「なぁ小m…」



小町「という訳で勝手に小町のポイント盗んだごみいちゃんは罰ゲームをしてもらいます!」パンパカパーン



八幡「おい、なんでだよ」



小町「勝手にお兄ちゃんが小町のポイントをキュンキュン上げていってカンスタ手前まで来ちゃうのがいけないんだよ!だからお兄ちゃんは小町の願い事聴いてくれないとだめ…なんだよ?」



八幡「さっきからポイントあげてるのか奪ってるのかよくわからん…。あとカンスタじゃなくてカンストな。kankoスタジアムの略とかユキペディアさんでも出るか微妙だぞ?」



八幡「で?お願いってなんだよ?」



小町「そーれーはー今週の日曜日、なんと小町と1日デートしてあげる権利の贈呈です!!!」パフパフパフ!



八幡「オーソリャスゴイナー」



小町「ウワーナニソノツメタイハンノー コマチチョットカナシイナー」



八幡「というかデートってどこで何するんだよ?」



小町「うーんそれはーららぽ行ってー、お洋服見てー、美味しいご飯食べてー、色んな雑貨を見てー、最後にロマンチックな夕日と共に恋人同士でキッス?」



八幡「今時小学生でももう少しマシなデート考えるんじゃないかってくらい酷いぞ?第一服見て飯食べるだけなら午前中で終わるんだが?それから日が沈むまで雑貨見るとか苦行だろ?あとキッスってお前…」



小町「もーお兄ちゃんはめんどくさいなぁ!とにかく小町はお兄ちゃんとどこかに 二 人 き り で出かけたいの!」ブー



八幡「だったらじたk…」



小町「自宅禁止!外出デート!」



八幡「わかったわかった…。じゃあ日曜日はどっか行くか。ただしららぽ以外にも考えとけよ?」



小町「デートコースを妹にすべて任せるとか流石ごみいちゃん…」



八幡「…まぁ…小町と出かけるのも久々だからな…なんか考えとくよ」



小町「…!ふふん♪楽しみにしてるからね、お兄ちゃん♪」



八幡「…あんまり…期待すんなよ…」

―――金曜日 学校 奉仕部部室



八幡「……」スマホイジリー



結衣、雪乃「……」ジーッ



八幡「……」ニヤァ



結衣、雪乃「!!き、キモチ悪い…」



八幡「!?…ってなんで二人とも俺の方見てるんだよ?もしかして俺の事大好き人間?」



結衣「ヒッキーマジキモイ。ヤメテ。」



雪乃「…ハァ。話しかけないで頂戴、私まで目が濁ってしまいそうだわ。」



八幡「…ぐ、ぐぬぬ、正直この反応されるとマジでへこんで2週間は布団の中で『うわああああああああ』ってなるから許してください」



結衣「いきなりわけわかんない事言い出すヒッキーがいけないんだからね!?」プンスカ



雪乃「由比ヶ浜さん、いくら言ってもこの男にはデリカシーのかけらもないのだからあきらめた方が良いと思うわ。」



八幡「……悪かった。もう二度とこういうことは軽はずみで言わないから許してくれないか?」



結衣、雪乃「!?」



結衣「ヒッキーが捻くれずに堂々と謝った!?これは何か大きな事象の前触れ!?」



雪乃「落ち着きなさい由比ヶ浜さん、いくら大きな天変地異が起ころうとも比企谷君の目に輝きが戻ることはないのだから!」



八幡「俺の目は天変地異レベルでも治らないとかどんな中二設定だよ!はっ!?これは名も無き神の設定に…いやいや、とにかく…済まなかった」



雪乃「本当に反省してるのかどうかその目じゃ分からないけれど、素直に謝られて人を許さないほど私は小さい人間ではないわ、比企谷君とは違って」



八幡(なんなんだこの女…いちいち自分が優れてるアピしないと死んじゃう病気なの?)



結衣「私はもともとそんなに怒ってないっていうかーあっ、でも知っててからかうとかだったらマジサイテーヒッキー許さない!」



八幡(何を知っててだよ…お前のおっぱいの大きさか?そんなの童貞にわかるわけないだろふざけんな!)



結衣「でもヒッキーが素直になるって本当にどうしちゃったのかな?」



雪乃「これも奉仕部の活動を通して私が組んだ比企谷君矯正プログラムが順調に行っている証拠かしら?」



八幡「おいマジで怖いからやめろよ。卒業までに公正させられて社会に出されるとかマジで勘弁だからな!」



雪乃「冗談よ。でも根本的なところは変わってないようね」クスッ



結衣「あはは…。でもそれがなきゃヒッキーがヒッキーでなくなっちゃう気もするけどね」



雪乃「それで比企谷君?さっきあなたがスマートフォンを触っているときにしたあの気持ち悪い笑みはなんなの?」



結衣「そーだよヒッキー!いつも笑い方とかキモいけどさっきのはいつもの倍くらいキモかった!なーんか嫌な感じ!」



八幡「うっ…そ、それはどうしても言わなきゃダメか?」



雪乃「どうしても嫌だというのなら良いのだけど…。その時は矯正プログラムを(ry」



八幡「それ本当にあるのかよ!?わかった!わかった話すから!矯正するのだけはやめてくれ!」



結衣「ヒッキー本当に社会に出たくないんだね…」



八幡「実は…な…今週の日曜日その…デートすることに、ヒィッ!」



雪乃、結衣「ガタッ!!」



八幡「落ち着け!妹だ、妹、小町だよ。」ガクブル



結衣「小町ちゃんが相手か…」ホッ



雪乃「あなたが他の女の子とデートなんてその女の子が気の毒で可哀想になる所だったから安心したわ」ホッ



八幡「雪ノ下、そろそろ俺も涙を流す時がくるかもしれないぞ?」



結衣「でも小町ちゃんと出かけるならわざわざ『デート』なんて言葉、ヒッキーなら使わないんじゃない?」



雪乃「それもそうね、比企谷君、あなたとうとうシスコンをこじらせて実妹に手をだしてs」



八幡「そこは心配すんな。俺は千葉の中でもシスコン双璧を成すが一人比企谷八幡だが決して実妹に手を出すほど落ちぶれてはいないぜ!Yes マイシスター.Noタッチはシスコン道の中でも常識中の常識だからな」



結衣「ウザイしキモイ」



雪乃「はぁ…で、本当にどうでもいいのだけれどちなみに双璧のもう一人は誰なの?」



八幡「あーそいつは数多そびえるフラグを血涙を流しながらそれはもうちぎっては投げ、ちぎっては投げの果てにようやく実妹と結ばれたすげぇ奴なんだ。まぁそれも期間限定だったけどな」



結衣「なんかその人は壮絶な人生を送ってそうだね…。でも妹以外にもそんなにモテたなら後悔とかしないのかな?」



八幡「後悔なんて、あるわけない!(キリッ」



結衣「なんかヒッキーのキモさが増してる気がする…orz」



八幡「俺にはそんな意気込みも情熱もないけどまぁなんだ…小町の幸せを他の千葉の兄…いや、日本、世界中のだれよりも願っている自身があるね」



結衣「流石千葉のシスコントップ2!なんかちょっとカッコよく見えて来たかも?///」



雪乃「由比ヶ浜さん、正気に戻りなさい、カッコつけて言ったところでアレは単なる重度のシスコンなだけなのだから」



八幡「フッ、何とでも言いな。そんな小町が日曜日俺と珍しく外出したいって言ったからさ、ちょっと何か良い所無いか調べてたんだよ、千葉県限定でな」



結衣「言ってることが大きいのか小さいのかよくわからないよ…」



雪乃「はぁ…全くこの男の考えていることは時々本当にわからなくなるわ。由比ヶ浜さん、今のシス企谷くんに何言っても無駄のようだからちょっと飲み物でも買いに行きましょう」



結衣「そうだね、ちょっと私も疲れちゃった…ヒッキーの分も何か買ってきてあげるよ!何が良い?マッ缶?」



八幡「いや、俺はいいよ」



結衣「あっそ、じゃあ適当に変なの買ってくるから!」アッカンベー



八幡「なにそれ、どんな嫌がらせだよ…」



ガラガラピシャッ





八幡「……ふぅ…」







八幡(昨日の夜、最近見たあの夢の出来事を俺はようやく思い出すことができた…)



八幡(いや、正確には覚えていたのに覚えていないフリをしていたことを思い出したんだ…)



八幡(兄妹で結婚…それ出来ないことであり、禁忌であるということは俺も小町もあの頃から承知していたはずだ)



八幡(だから俺はいつからか自分の感情をごまかし、忘れようとし、風化させようとした…)



八幡(それを世間が許してくれるはずはないだろうと…それで小町が悲しむことになるかもしれないと…)



八幡(それがたとえ俺がこの世で一番嫌っている自己欺瞞だったとしても…)





八幡(…なら、もしもあの時の言葉に今も小町が縛られているとするのなら俺はその鎖を解いてやらなければならない)



八幡(小町の幸せをこの世の誰よりも願う者として、小町の事をこの世の誰よりも愛する者として…!)



八幡(俺も、小町も、一歩を踏み出さないといけない時がやってきたのだ…!)







八幡「やはり俺の妹がこんなに可愛いのは間違っている…とな!」



―――土曜日 比企谷家



小町「どう、お兄ちゃん?明日の為のこの服可愛い?似合う?」



八幡「おーそうだなー小町は世界一可愛いから何着ても似合うぞ」ボウヨミー



小町「ウーワーデタヨ ソノヤルキナイカンジ」



八幡「それより小町、その明日の予定は決まったのか?」



小町「んー?ららぽ以外やっぱり思いつかなかったー」



八幡「妹に何か期待した俺がバカだった…」



小町「そういうお兄ちゃんこそ何か考えるって言ってたけど、どうするの?」



八幡「…あースマンなんも思い浮かばなかった」



小町「はぁ…これだからごみいちゃんは…やっぱりららぽ一日デートになりそうだね」



八幡「マジでららぽ一日デートやるのかよ…。しょうがない…明日は最後の最後まで小町のわがままに付き合ってやるよ」



小町「さっすが小町の自慢のお兄ちゃん!じゃあまずはあそこで服買ってーあれ食べてーこれ食べてー♪」



八幡「あ、やっぱりお金は無いからそこら辺の配慮は頼むわ」



小町「…やっぱりごみいちゃんはごみいちゃんだなぁ…」ヤレヤレ



――――――

――――

――





小町「さてと、じゃあ小町は明日に備えて寝ようかな!おやすみ、お兄ちゃん!」



八幡「あぁ…おやすみ、小町」



―――AM1:00 八幡の部屋



八幡「…さて、一通りプランは考えた。後は明日に備えて寝るか…」



コンコン オニイチャンオキテルー?



八幡「…?小町か、どうした?」



小町「いやー明日が楽しみで眠れなくってさ…だから小町が一緒に寝てあげようとおもって///」



八幡「…色々とおかしいだろ、それ」



小町「まぁまぁ小町がお兄ちゃんと寝てあげるなんて、うっ血大サービスなんだから!」



八幡「なにそれ寝ている間にアザだらけにされるってこと?体中にアザレアを咲かせちゃうの?」



小町「…15点くらいかな」



八幡「間違えたのはお前なのにその扱い酷くない…?」



小町「それより小町が一緒に寝てあげるって言ってるんだよ?どうなのどうなの?」



八幡「……はぁ、じゃあ小町が眠るまでだぞ。その後俺は居間で寝るから」



小町「そんなに照れなくても小町は大丈夫なのに〜 あ、小町に照れて恥ずかしがっちゃうところはポイント高いかもだけど」



八幡「ちげーよ。翌朝こんな所をもし親父とかおふくろに見られたら本当に家を追い出されかねないからな、念のためだよ」



小町「…そっか…まぁ、それでもいいや!なら早く一緒に寝よー!」ベッドニドーン!



八幡「わかったからそんなに騒ぐな」



小町「はいはーい」



八幡「はぁ…じゃあ電気消すからなー」ポチッ



小町「///」ワクワク



八幡「………」



小町「……起きてる?お兄ちゃん?」



八幡「…あぁ、そりゃお前が寝付くまでは起きてなきゃいけないからな」



小町「そっか…ねぇお兄ちゃん、昔はさ、よくこんな風に一緒にお布団被って寝てたよね」



八幡「…そうだな、それで小町が寝相悪くて顔を殴られたり、布団をはぎ取られて風邪ひきそうになったりしたな。ありゃ罰ゲームか何かだったのか」



小町「…アレーソーダッタケー?」



八幡「仕舞いには小町に近すぎだって親父にすげぇ嫉妬されて理不尽な扱い受けるし…本当に思い出せば出すほど涙が出てきそうになるな」



小町「小町、愛されすぎて辛い><」



八幡「その愛を少しは俺に分けてくれても罰は当たらないと思うぞ?いや…そんなに欲しい訳ではないけどさ、別に」



小町「んふふ〜大丈夫だよ、代わりにお兄ちゃんは小町がいーっぱい愛してあげてるから!……ってこれは小町的にポイント高すぎ?!」



八幡「オーソッカー ソリャウレシイワ。それよりはやく寝ろ、明日寝坊しても起こさないからな」



小町「…まったく本当に捻デレだなぁお兄ちゃんは。…じゃあ最後にぎゅーってしてくれたら寝るね!」



八幡「だからその変な造語やめろ…って、え?どういうこと?」



小町「だから小町をぎゅーって抱きしめて!そしたら寝るから」



八幡「いや聞いてるのはそこじゃなくてなんで小町を抱きしめないといけないんだよ?」



小町「うーん?人肌が恋しいから…?」



八幡「こんなにも色んな奴らから愛情を注がれているのにまだ人肌恋しいとは…このいやしんぼめっ!」



小町「乙女は愛に貪欲なんだよ?!(意味不明) だから…ね、お兄ちゃんお願い!///」ウワメヅカイー



八幡「自分で乙女とか言っちゃうあたりアホ丸出しだな…わかったよ…ほら小町、これでいいか…?」ギュゥ



小町「…!えへへ〜いい感じ〜///」





――――――

――――

――



小町「…zzzz」スピー



八幡「……」ダキシメー







八幡(結局あの後小町が寝付くまで抱いてあげたのはいいが…)



小町「……zzzz オニイチャンソレコマチノクツシタ…ムニャムニャ」ガシッ



八幡(いつの間にか小町にホールドされて動けなくなっていた)



小町「……クツシタペロペロ…ダメダヨオニイチャン…zzz」



八幡(動くと小町を起こしてしまいそうだしな…どうするか…)



小町「…ソンナヘンタイサンデモコマチハ……Zzzzz」スピー



八幡(いや、むしろ起こすべきだろコレ、どんな失礼な夢見てんだコイツは)イラッ



小町「………」スピー



小町「………大好きだよ、お兄ちゃん…」



八幡「……俺も愛してるぜ、小町…」



小町「…………///」



小町「………Zzzzz…」スピー



八幡(はぁ…どうするかなこの状況……)



―――デート当日



八幡(不覚にもホールドを解くこともできずあのまま寝てしまったが、朝になって俺が起きた時は小町はすでに自分の部屋に戻っていた。いつ戻ったんだあいつ?両親に見られなかったのは救いだが…)



八幡(あと朝食の際なぜか小町が俺を見る度に顔を赤らめていたけど自分で恥ずかしくなるくらいなら『ぎゅーと抱いて』とかお願いするんじゃねーよ、こっちまで恥ずかしくなるだろーが!)





八幡「という訳でそんなこんなでデート当日を迎えてこれからららぽに向かうのでした、まる」



小町「誰に向かってしゃべってるのお兄ちゃん!?それよりどう?どう?どう?やっぱり昨日のじゃなくてこっちの服にしたんだけど小町、似合ってる?」



八幡「そんなどうどういわなくても馬じゃないんだから、念仏だろうが読経だろうが小町の事はちゃんと聞いてるよ」



八幡「服?そうだな、世界一可愛い小町が世界一似合ってる服を着てるから銀河一可愛いくなってるぞ」



小町「嬉しいけどスケールが大きすぎて良くわからないよ」



八幡「…とにかく似合ってるし可愛いってことだよ」



小町「おぉ!?お兄ちゃんのデレキタ━(゚∀゚)━!!」



八幡「う、うぜぇ……とにかく行くぞ小町」



小町「はいはーい♪んふふ〜お兄ちゃんと久々のお出かけ〜♪」



八幡「久々って…東京わんにゃんショーとか何だかんだで小町と出かけてることあるだろ」



小町「でもあの時も結局雪乃さんも一緒になっちゃったし…そもそもあれは恒例行事みたいなものだから、他に二人きりで出かけることが少なくなってて小町は悲しいんだよ…?」ヨヨヨ



八幡「別に泣きまねしてもポイント高くないからなそれ」



小町「ぶー!」ホッペプクー





小町「……でも最近はそれも仕方ないことなんだって思っちゃったりすることもあるんだよね」



八幡「…!」



小町「…いつかは…やっぱりお兄ちゃんも……なーんてね♪」



八幡「……」



小町「…うん、だからこそ今日はお兄ちゃんと思いっきり遊んで最高の思い出にするんだ!休む暇なんて無いから覚悟してよね、お兄ちゃん♪」



八幡「…はいはい分かったよ」



―――IN ららぽ カフェ



八幡(ららぽに着いてからは小町の宣言通りほぼ休む暇なく服やら雑貨やらの買い物に付き合された)



八幡(もはやデートと言うよりは小町の買い物の荷物持ちの為に付き添ってるようにしか思えなくなってきたが当の本人はいつもの倍以上はしゃいで喜んでいるようだからまぁ良いとしよう)



八幡(そして昼頃になってようやく買い物も一段落ついたので近くのカフェで少し休憩することにした)







八幡「それにしても人混み半端無いな…で、飯食い終わったらどうすんだ?帰る?」



小町「人混みを理由に帰る選択肢を早々に切り出してくるとか流石お兄ちゃん…」



八幡「…まぁ帰るは冗談としても午前中にこれだけ買い物して更にこれ以上買いたいものあるのか?」



小町「んー、欲しいものはまだまだたくさんあるけど午前中はずっと小町の買い物に付き合わせちゃったし午後はお兄ちゃんのしたいことに付き合ってもイイよ?」



八幡「じゃあ、かえ」



小町「帰る以外で」ニッコリ



八幡「ぐぬぬぬ…妹に考えを読まれるとは…八幡、悔しいっ…でも(ry だがそう言われても、ららぽじゃしたい事は特に無いんだが…」



小町「お兄ちゃん本当に今日のデート、ノープランで来たんだね…」



八幡「……小町と一緒ならそれで満足だからな」ボソッ



小町「…?(よく聞こえなかった…)」



小町「じゃあさ、あそこのゲームセンターで遊ぼうよ!この前雪乃さんや結衣さんと行った時も楽しかったし!」



八幡「まぁここから近いしな、いいんじゃないか?」



小町「よーしそれじゃあ、レッツゴー♪」



八幡「…おー」



―――とあるゲームセンター





小町「ゲームセンターに着いたー!」



八幡「しかし相変わらずいろんな種類のゲームが置いてあるな」



小町「でも小町はーせっかくデートで来たんだしー?アレ…やりたいかな〜?ちらっちらっ」



八幡「ん?もしかしてMJか?そういや小町と由比ヶ浜に声がそっくりのキャラと同卓できるシステムがあったような…」



小町「あーそういうメタなのはドラマCDで既にお腹いっぱいだから」



小町「そーじゃなくてアレだよアレ!」チラッチラッ



八幡「なんだよ、ファイナルファイトか?俺が予備校のスカラシップで発揮した錬金術がここで活かせるとは思えないんだが…」



小町「のこり体力がわずかの時に間違ってお肉とか入ってる箱を錬金してしまった時の悲しさと言ったら…って違うし!」



小町「もーお兄ちゃんは分かってるのにそうやってごまかすー!プリクラ撮ろうよ プ リ ク ラ!」



八幡「…こういう展開になりそうなのは読んでいたが、ついに妹とプリクラを撮るハメになるとは」



小町「まーまーお兄ちゃん、どうせ女の子とプリクラなんて撮ったことないんだし練習だと思ってさ、ね?」



八幡(一応戸塚とは撮ったことあるんだがな…まぁ一名いらない奴も写っていたが)



八幡「…しょうがないな。で、どのプリクラで撮るんだ?」



小町「じゃあこの『超ラヴ age↑↑MAX〜美白300%盛り〜』にしよう!」



八幡「なんだその偏差値のBFを軽く突き抜けたような名前のプリクラは。もはやツッコミ所しかなくてツッコむ気が失せるわ」



小町「でも小町の友達と撮る時によく使うけど中身はちゃんとしてるよ?設定間違えると白すぎて顔が飛んじゃうけど」



八幡「白飛び起こしてる時点でちゃんとしてないだろうが!もう兄妹二人そろって顔がスパークしてる写真とか撮れたら心霊写真としてテレビ番組に投稿して採用金もらうしかないな」



小町「もーいちいちへりくつ面倒くさいなぁお兄ちゃんは。間違えなきゃ大丈夫だから、早く撮ろうよ!」



八幡「へいへい」





???「あのーすみませんちょっといいですか?」



八幡&小町「?」



店員「突然すみません、もしかしてお二方は付き合っていらっしゃいますか?」



八幡「いやちが…」

小町「はい!こう見えて私たち超ラブラブカップルなんですよー!」



八幡「おい…」



小町「もーそんなに照れなくても良いのにー///」



店員「ははは…実は本日男女カップル対象の限定イベントを行っておりまして、お二人のラブラブツーショットを受付にエントリーしていただくだけで、なんとプリクラの料金を一回サービスさせていただいております!」



店員「…ちなみに受付していただけないと一回5000円の撮影料を申し受けますがいかがなさいますか?」



八幡「なんだその無茶苦茶な設定は!」



小町「おぉ!これはしょうがないね!じゃあエントリーするんでお願いします!」



八幡「おい、俺の意見…」

店員「かしこまりました!お二人のラブラブツーショット期待してますので、ごゆっくりお楽しみください。それではー」テテテテテー



八幡「すごいスピードでどこかに行ってしまった…」





八幡「…で、どうすんだよ小町?この馬鹿に馬鹿を掛け算したような名前のプリクラに金を払う必要はなくなったけど、ラブラブツーショットって…お兄ちゃんちょっと頭痛くなってきたぞ?」



小町「んー?大丈夫だよ、お兄ちゃんは出来るだけその濁っている目を輝かせる努力をして立っているだけでいいよ?後は小町におまかせあれ!」



八幡「今の言葉で何一つ安心できる要素が無かったんだが…?」





小町「それにしてもこれは小町的においしいイベントですなぁ♪」ニコニコ



八幡「それにしてもこれは八幡的にくるしいイベントですなぁ…」ドヨーン



小町「とにかくもうエントリーしちゃったんだしこれは覚悟決めて小町達のラブラブっぷりを見せつけなきゃいけないんだから頑張らないとね、お兄ちゃん♪」



八幡「…もうどうにでもなれ」ハァ…



―――プリクラ筐体内



小町「さてと、まずはモード選択だね!ここはもちろん『友達』じゃなくて『恋人』を選んで…」



八幡(あぁぁ、なんかよくわからない間にどんどん物事が進んでいく…八幡怖い><)



小町「…よし、じゃあお兄ちゃん撮るよー!」



3…2…1…



八幡「…え?へ?」(やばい。妹相手なのにどんな顔すればいいかわかんねェ!)



小町「じゃあ最初はお兄ちゃんの腕に抱きつきっ♪」



八幡「うおっ!?」///



パシャリ!パシャリ!



小町「はら、お兄ちゃんもピース、ピース!」



八幡「お、おう」ピース



パシャリ!パシャリ!



小町「次は二人でハグしちゃおー」ダキツキー



八幡「お、おい!」///



パシャリ!パシャリ!



小町「じゃあ最後は…小町の大サービス♪」ほっぺにチュッ



八幡「…な?!///」ドキッ



パシャリ!パシャリ!





――――――



――――



――



――



――――



――――――



小町「…最後に『八幡&小町 デート記念』っと…よし、できたー!」



小町「それにしてもなかなか上手く写ってるね、お兄ちゃん♪」



八幡「…オーソーダナー」ウワノソラー



小町「?お兄ちゃんがドリップしてる…」



八幡「…トリップな。生気とか色んな物を抽出されちまったのは間違いじゃないが…」



小町「……最後のは小町もちょっと恥ずかしかったかな…でもポイント超高いかも?!」





小町「さてと、プリクラのデータはちゃんと受付に送信したし現像した半分はお兄ちゃんにあげるから大切にしてね!」



八幡「はぁ…こうなったら開き直って携帯に張り付けるしかないな」



小町「それは小町的にポイント高い!」



八幡(冗談を真に受けたよこの娘!?)



小町「じゃあ小町も携帯に貼るからこれでお揃いだね、お兄ちゃん♪」



八幡「…はいはい、おそろいおそろい」(もう恥ずかしさのキャパ限界だよ畜生!)



小町「……えへへ〜///」







八幡「…っておい、さっそく小町が俺にキスしてる写真が店内の大型モニターに映し出されてるんだが…」





客A「リアジュウシネ!」 客B「アノコカワイイ…オトコハシネ!クソガ!」 客Z「ムフゥ…ハチマンヨ…ツイニ、イモウトギミニマデテヲダストハ……リアジュウホロビロ!!!ウラギリモノメー!!!」





八幡「…やばいヤバイ、もう色々と駄目でしょこれは…このゲーセンのソロプレイヤーの大半を敵に回したぞ?」



小町「いやーついに小町とお兄ちゃんの禁断の関係が公の場で明らかになっちゃったねー 小町も嬉しいやら恥ずかしいやら…///」モジモジ



八幡「…誤解を生むような発言はやめなさい!なんかあそこにいる知り合いのようで全くの赤の他人からすごい剣幕で睨まれてるから!」



客Z「ハチマン…ワレヲウラギルカー!!」



小町「別に小町は平気だもん〜!満足満足♪///」ホッコリ



八幡(くそっ、これ以上ここにいると恥ずかしくて気がおかしくなりそうだ…とにかくゲーセンから脱出せねば!)



八幡「…そうだ小町、ここに来る最中に駅前で『緊急出張!わんにゃんふれあいワールド』っていう犬と猫に触れあえるイベントの紙が配られてたんだが、ここの近くで開催されてるようだしそっちに行かないか?」



小町「んーお兄ちゃんが行きたいなら別に良いよ?小町はプリクラ撮れて満足してるし」



八幡「よし、じゃあ行くか」



小町「レッツゴー♪」テヲニギー



八幡「おーって…おい」



小町「小町、疲れちゃったから手をつないで歩こ?」///



八幡「…い、イベント会場までだからな?」ドキドキ(これは妹の手、なんで緊張してるんだ俺は!?さっきのプリクラのせいか!?)



小町「照れてるお兄ちゃんもポイント高いゾ♪」///



八幡「て、照れてねーよ!/// 訳わかんないこと言ってると置いてくからな!」



小町「もーお兄ちゃんは捻デレてて素直じゃないなぁ〜」ニヤニヤ



八幡「…うるせー///」(あークソ!小町が可愛いすぎて辛い!!!!)



―――――



―――



――



八幡(この後俺も小町もとっさに思いついたこの行動であんな展開になるとは思ってもいなかった…)



八幡(思えばこの時、どうしてあの事に気付かなかったのだろうか…)



八幡(深く注意して考えていれば回避することはできたはずなのに…!)



八幡(…いずれにしても避けては通れない問題ではあったけれども…)







八幡「やはり俺の妹とのデート選択肢は間違っていた…?」



―――緊急出張!わんにゃんふれあいワールド会場内



八幡「なんかもうちょっと小規模なイベントかと思ってたら意外に大きいんだな」



小町「でもその分東京わんにゃんショーにも負けないくらいに沢山の種類の犬や猫がいるね」



八幡(…東京わんにゃんショー?あれこの展開は…)



小町「……もしかしたら雪乃さんや結衣さんもいるかもね」



八幡「…でも今は関係ねーだろ…今日は…小町と出かけてるんだからな……」ボソッ



小町「…お兄ちゃん……えへへ、うれしいな///」ギュッ



小町「…それでも小町は―――」





小町「……って、さっそくそれらしき怪しい人が道に迷った模範例のような動きで地図と睨めっこしてるよ?しかもあれは結衣さんも一緒に迷子になってるんじゃない?!」







雪乃&結衣「……???」オロオロ







八幡「…まったくなにやってんだよ……すまん小町、ちょっとだけ…いいか?」



小町「………大丈夫。私は大丈夫だよお兄ちゃん」



八幡「…悪いな…」







小町(……ここまで…みたいだね…)



八幡「お前らこんなところで何やってんだよ?」



小町「雪乃さん、結衣さん、やっはろー♪」



結衣「…やっはろー?」



結衣「ってヒッキーと小町ちゃん?!なんでこんなところに??でもちょっと…嬉しいかも…!」ナミダメー



雪乃「…ど、どうしてこんなところに比企谷君と小町さんがいるのかしら?」ドキッ



八幡「…それはこっちが聞きたいところなんだが…まぁ、おそらくこのイベントを知った雪ノ下が由比ヶ浜を誘って来たのはいいが雪ノ下が猫に夢中になってどんどん進んで行ってしまい、結果道に迷って今自分たちがどこにいるのかわからなくなっていた…という感じか?」



結衣「すごい…!ほとんど当たってる!なんで?ヒッキーエスパー?」



雪乃「…道に迷っているとは心外だわ比企谷君。私はただ会場の猫と触れ合っていたらいつの間にか知らない場所に出てしまってどうやって戻るのか考えていただけよ」プクー



八幡「…それを一般的に迷子っていうんだけどな」



結衣「でもヒッキーに会えてほっとしたよ!って…そういや今日は小町ちゃんとデートだったよね?邪魔しちゃったかな…」



小町「…いえいえ全然そんなことは無いですよ!今日はたまたま小町の買い物にお兄ちゃんを連れまわしてただけなんでそんなデートだなんて…」



八幡「……」



小町「だからここに兄を置いていくんで後は3人で楽しんでください!残念だけど小町は急用を思い出したので先に帰りますね」



八幡「おい、急用ってお前…」



小町「もーごみいちゃんでも地図くらいは読めるんだからちゃんと二人を案内してあげないとダメなんだよ?」



八幡「でも今日は…」



小町「……とにかく!二人が困っているんだからお兄ちゃんがなんとかしてあげないと!じゃあ小町は行くから…バイバイ…お兄ちゃん…」タタタタタ





八幡「……」



雪乃「小町さん、行ってしまったわね…でもなんだか悲しそうな目をしていたわ」



結衣「そうだね…元気に振る舞ってはいたけど、すごい無理をしてたような感じだった…ヒッキー、本当にデートじゃなかったの?」



八幡(小町の奴、また変な気を遣いやがって…)



八幡「………スマン、ちょっと20分だけ待っててくれないか?俺も急用思いだしたから…。すぐ戻るからここから動くなよ」



雪乃「…ふふ、行ってらっしゃい。あと迷子扱いはいい加減やめてくれないかしら?比企谷くんなんていなくても由比ヶ浜さんとなら、なんとか出来るわ」



結衣「そうだよ、ヒッキーなんていなくてもゆきのんとならなんとかなるもん!だからヒッキーは小町ちゃんの後を追ってあげて!」



八幡「…そうかよ…悪いな二人とも…」タタタ



結衣「あ、ちょっと待ってヒッキー!」



八幡「…?」



結衣「私たち…待ってるから…ゆきのんもわたしも…ヒッキーの事、信じて待ってるからね!」



雪乃「だから…安心して小町さんのもとに行ってあげなさい。私もその…月曜日…部室であなたを待っているわ…///」



八幡「…そうか、本当に悪いな…じゃあまた明日!」ダッシュ!







結衣「…本当にあきれるほどお互いの愛が強い兄妹だね。小町ちゃんがちょっとうらやましいかも…」



雪乃「ええそうね…それに振り回される私たちの身にもなってほしいものだけれど…」







結衣「それで…どうやってここから出るの、ゆきのん?」



雪乃「……この地図だと多分、右ね」ドヤッ

(右はどう見ても行き止まり)



結衣「……」(やっぱり助けてヒッキー!><)



八幡(…くそっ、小町の奴どこに行ったんだ…?あのまま直ぐに帰ったとは思えないし…)タタタタ



八幡(なら小町が行きそうな場所は…やっぱりあそこか…?)ダッシュ!





――――――

――――

――



夕方 とある公園



八幡「……やっぱりここにいたか、小町」ハァハァ



小町「……はぁ…あれだけおぜん立てしたのに小町を追いかけちゃうなんて…本当にお兄ちゃんはごみいちゃんだね…」



小町「全く、どうして…?せっかく小町はもうちょっとであきらめがつくところまで来れたのに…!どうしてお兄ちゃんは邪魔するの…?」



八幡「…それは…」



小町「…お兄ちゃん、覚えてる?昔一人が嫌で小町が家出した時にこの公園のベンチでずっと一人で座ってたら、あのお兄ちゃんが珍しく今みたいに血相を変えて汗びっしょりになりながら小町を探しに来てくれたこと」



八幡「…そうだな、覚えてるよ」



小町「じゃあその後帰り道で交わした約束も…覚えてる…?」



八幡「あぁ…忘れてない」



小町「そっか…いやーあれだけあざとくポイントポイントって言ってたらさすがのお兄ちゃんでも思い出すかなって期待してたけど…やっぱり覚えててくれたんだね…」



小町「でもねお兄ちゃん、小町がいくら頑張っても、小町がいくらお兄ちゃんを好きになろうと兄妹で結婚は出来ないんだよ?」



八幡「…知ってるさ」



小町「なら駄目だよ…せっかくお兄ちゃんをよく想ってくれてる女の子が2人もいるなら…そっちを大事にしなきゃ!こんな出会いお兄ちゃんにはもう二度とないかもしれないんだよ?」



八幡「二度とないは余計だ。あとな、確かに雪ノ下も由比ヶ浜も今では俺にとってすごく大切な存在だけど…」



八幡「だけど!それ以上に小町は俺の妹であって、俺は小町を―――」





八幡「俺は小町を愛してる!」





小町「……!!」



八幡「兄妹?血縁?近親?そんなの二人の愛に比べたらどうって事ねーよ!もうむしろこのまま駆け落ちエンドまで俺は想定してるぜ!例え世界が俺達の敵になろうと俺は小町をいつまでも守る!何があろうと小町を愛し続ける!」





小町「……ばかだなぁ、お兄ちゃんは…うん、本当にばかだなぁ…」グスッ



八幡「っておい小町…泣いてるのか…?」オロオロ



小町「……なんか嬉しくて…もう、ごみいちゃんのくせに本当に小町の計画の邪魔ばっかりするんだから…!」



八幡「…それは…お互い様だろが…」





小町「えへへ、お兄ちゃんありがと…小町もお兄ちゃんの事は世界の誰よりも大好きだよ!でもね、小町はやっぱり…お兄ちゃんとは付き合えない!」



小町「…本当はお兄ちゃんと結婚できたら死んじゃってもいいかな?ってくらい大好きだけど…でもやっぱりそれはできない」



八幡「……そうか」



小町「…だから…だから今日だけ、今日いっぱいだけ…」





小町「小町はお兄ちゃんのお嫁さんになっても…いいかな?」





八幡「…ああ!愛してるぜ、小町!」



小町「…小町も…小町もお兄ちゃんの事、大好きだよ!!」チュッ!



――――――

――――

――



こうして俺と小町はキスをして一日限定ではあったが結ばれたのであった。脳裏に某千葉の別の兄妹の話を思い出していたが、結果的にそれよりも中途半端なひどいオチで終わったのは申し訳ないと思う。



まだまだ目の前に残る問題も沢山あるけれども…だけどこの経験を通して俺も小町もようやく1歩を踏み出すことが出来たのだ。



ついでに後日談として雪ノ下や由比ヶ浜にこのことを伝えたら意外にも「そうなんだ、よかったね」の一言で片づけられてしまった…あれー?もっと驚いた反応をされると思っていたんだけどなー?



そんな訳でまた俺と小町は元の兄妹の関係に戻って俺はいつものあの奉仕部のある学校生活に戻っていったのであった…





八幡「やはり俺の妹がこんなに可愛いのは間違っている」





〜終わり〜



―――後日談 奉仕部部室



雪乃「…それで、比企谷君?とうとう名実ともに実妹に手を出してしまった真のロリコンに成り下がってしまった訳なのだけれど、いったいあなたはその後小町さんになにをしでかしたのかしら?」



結衣「あ、それ私もちょっと気になるかもー?」



八幡「おい、結局詳細を聞く気満々だったじゃねーか!」



雪乃「別に比企谷君の行動自体に興味がある訳ではないのだけれど、もし万が一小町さんに何かがあったのなら一人の善良な市民として私が警察に通報しなければならないでしょう?」



結衣「まさかヒッキー小町ちゃんに本当に手を出しちゃったの!?」



八幡「ふざけんな!妹の貞操に手を出すほど落ちぶれてはいねーよ!ただ…なんだ…何回かキスしたり、一緒にお風呂入ったり、その夜一緒に寝ただけで…」



雪乃「なるほど。それがあなたのこの世の最後の言葉として受けとっていいのかしら?さようなら犯罪者企谷くん、この世にこんな重度のシスコンが本当に実在したことは忘れないわ」



結衣「…き、キス?!…わ、私もヒッキーとしたことないのに…!小町ちゃん…ず、ズルい!///」



八幡「…まぁ本当の事だし、なんとでも言ってくれ」



雪乃「そこで開きなおるなんて相当頭の方をやらかしてしまったのね、比企谷君。でもいいわ。それでちゃんと二人の間で結論は出たのでしょう?」



八幡「…まーな、その約束も結局あの1日だけってことで、今は俺も小町も他の兄妹に比べたら少し仲良すぎるくらいの関係には戻ったぜ」



結衣「以前よりも関係が悪化してる気がするよ?!」



雪乃「まったく…あなたたちは本当にどうしようもないシスコンとブラコンの兄妹なのね…。不本意な事なのだけれど、それも含めて私はあなたを受け入れるしかないようね…///」



八幡「…おい」



結衣「あー!私だってその…小町ちゃんやゆきのんに負けないくらいヒッキーのことを…ってもうコレ告白?!いや、今のは違うっていうか、その…///」



八幡「…わかってるよ。サンキューな、雪ノ下、由比ヶ浜。これで俺もようやく一歩を踏み出せるよ」



雪乃「私は特に何もしてはいないわよ?///」ドキドキ



結衣「そうだよヒッキー、私たちはヒッキーの事待ってただけだもん///」ドキドキ



八幡「そうか、じゃあ改めて言うぞ、俺は―――」





ガラッ

平塚「邪魔するぞー 実は今日私も由比ヶ浜を見習って女子力を上げるためにクッキー焼いてきたから是非試食を!(`・ω・´) 」



平塚「ってあれ?この空気…ちょっと私…タイミング間違えちゃったかな…?」アセアセ





雪乃「……ハァ」ヤレヤレ



結衣「……平塚先生の…ばか…」プイッ



八幡「……確信犯だろ…」





八幡「…やはり俺の青春ラブコメは間違っている。」





〜終わり〜